このバックアップ計画では次のテープ オプションを使用すると仮定します。
初回のバックアップ操作が 1 月 1 日の金曜日にスケジュールされているとします。その日の午後 11:00 に、初回の完全バックアップ(テープ全体のサイズ 400GB 上の 320GB)が作成されます。[個別のテープ セットを使用する]オプションがオンなので、現在マウントされているテープは取り出されます(空のテープではない場合)。次に、特にこのデータのバックアップ用の空のテープがロードされます。このテープは、下の図で番号 01 とマークされています。「分析事例」で示した凡例に従って、このデータの完全バックアップは図ではオレンジの四角で表示されています。
指定した GFS バックアップ スキームの設定により、データをバックアップするのは平日だけなので、次回のバックアップは 1 月 4 日の月曜日の同時刻(午後 11:00)に作成されます。[常に空きテープを使用する: 各増分バックアップ]オプションがオフなので、このバックアップは同じテープ 01 に書き込まれる増分バックアップ(16GB)です。このバックアップは、図では緑の四角で表示されています。
次の 3 回の増分バックアップは、1 月 1 日、5 日、6 日、および 7 日に書き込まれます。この結果、テープ上の空き領域はこの時点で 16GB しかありません。
[常に空きテープを使用する: 各差分バックアップ]オプションがオフなので、1 月 8 日のデータの差分バックアップ(40GB)は同じテープ 01 に書き込まれます。ただし、バックアップの先頭 16 GB を書き込むと、テープの最後に達します。このため、このテープはマウント解除され、ローダーによってドライブからスロットに取り出されます。さらに、空のテープが同じドライブにロードされてマウントされてから、新しいテープの先頭へのバックアップ(残りの 24GB)が続行されます。
次の図は、この時点でのデータのバックアップ アーカイブを示しています。この差分バックアップは、図では青の四角で表示されています。緑の四角内の番号 1 は、この年最初の週の月曜日に作成された増分バックアップをマークしています。
その後、次のバックアップがテープ 02 に書き込まれます。
次回の完全バックアップ(320 GB)は、4 週目の金曜日に書き込まれます。ただし、現時点でテープ 02 の空き領域は 104GB しかありません。このため、テープの最後に達すると、空のテープ 03 の先頭から書き込みが続行されます。
GFS スキームでは、各バックアップ操作の後に[クリーンアップ]タスクが開始されることに注意してください。このタスクにより、古いバックアップがすべて削除されます。次の図は、現在までに削除されたバックアップを濃い灰色の四角で示しています。
削除されたバックアップは物理的にはまだテープ上に存在しますが、バックアップに関する情報はストレージ ノード データベースから削除されます。
下の図は、事実上削除されたバックアップと、GFS バックアップ スキームと指定したテープ オプションとの組み合わせによる年間のテープの使用状況を示しています。緑の四角内の番号は、この年の対応する週の月曜日に作成された増分バックアップをマークしています。
1 年目のテープの使用状況
次の図は、翌年の最初の金曜日の時点におけるテープの事実上の使用状況を、削除されたバックアップではなく空き領域によって示しています。この時点で、差分バックアップ(青の四角)はテープ 24 に書き込まれます。
テープ 01 に保存された完全バックアップは、52 週目の金曜日に次回の完全バックアップがテープ 23 および 24 上に作成された後で削除されます。テープ 01 のバックアップはすべて削除されているので、テープは空と見なされ、再利用が可能です。
この例をさらに分析すると、データのバックアップを保存するために必要な最大テープ数は 25 であることが証明されます。この最後のテープは、翌年の 16 週目に使用されます。
上記の図は、データの復元のため、完全バックアップ用に 1、2 本のテープ、差分バックアップ用に 2、3 本のテープ、増分バックアップ用に 2、3 本のテープが必要であることを示しています。
たとえば、52 週目の月曜日に作成されたバックアップからデータを復元する必要があると、このタスクで次のテープが必要になります。
この例は、GFS スキームと指定したテープ オプションの組み合わせによる次の短所を示しています。