重複除外とは、データの反復を検出して同一のデータを 1 回だけ保存することで、データによって使用されるストレージ領域を最小限に抑える処理です。
たとえば、重複除外が有効になっている管理対象の格納域に同じファイルが 2 つ含まれる場合は、同じアーカイブにあるか別のアーカイブにあるかに関係なく、このファイルは 1 回だけ保存され、2 番目のファイルの代わりにそのファイルへのリンクが保存されます。
重複除外によってネットワーク負荷も軽減できます。バックアップ時に、あるファイルまたはディスク ブロックが、既に保存されているものと同じであることが検出されると、その内容はネットワーク経由で転送されません。
重複除外は、ディスク レベルのバックアップではディスク ブロックに対して実行され(ブロック レベルの重複除外)、ファイル レベルのバックアップではファイルに対して実行されます(ファイル レベルの重複除外)。
Acronis Backup & Recovery 10 では、重複除外は次の 2 つの手順から構成されます。
ソースでの重複除外
バックアップ時に管理対象のコンピュータで実行されます。Acronis Backup & Recovery 10 エージェントは、ストレージ ノードを使用して重複除外可能なデータを判断し、既に格納域に複製が存在するデータを転送しません。
ターゲットでの重複除外
バックアップの完了後に格納域で実行されます。ストレージ ノードは、格納域のアーカイブを分析し、格納域のデータを重複除外します。
バックアップ計画を作成する際には、その計画のソースでの重複除外を無効にできます。これによってバックアップの処理速度は速くなりますが、ネットワークとストレージ ノードの負荷は大きくなります。
重複除外された格納域
重複除外が有効になっている集中管理用格納域は、重複除外された格納域と呼ばれます。集中管理用格納域を作成する際には、重複除外を有効にするかどうかを指定できます。テープ デバイスには重複除外された格納域を作成することはできません。
重複除外データベース
重複除外された格納域を管理している Acronis Backup & Recovery 10 ストレージ ノードは、格納域に保存されたすべての項目(暗号化されたファイルなどの重複除外できない項目は除きます)のハッシュ値が含まれる重複除外データベースを保持します。
重複除外データベースは、格納域の作成時に[集中管理用格納域の作成]の[データベースのパス]で指定したフォルダに保存されます。重複除外データベースはローカル フォルダにのみ作成できます。
重複除外データベースのサイズは、格納域に存在するアーカイブの合計サイズの約 1% です。つまり、1TB の新しい(重複しない)データごとに、データベースに約 10GB が追加されます。
格納域にアーカイブおよびメタデータを含むサービス フォルダが保持されている場合に、データベースが破損したり、ストレージ ノードが失われると、新しいストレージ ノードによって格納域が再スキャンされ、データベースが再作成されます。