「GFS (Grandfather-Father-Son」スキーム
概要
- 日単位の増分バックアップ、週単位の差分バックアップ、月単位の完全バックアップ
- 週単位および月単位のバックアップのカスタム日付
- 各種類のバックアップのカスタム保持期間
説明
日単位(D)、週単位(W)、および月単位(M)の一連のバックアップを定期的に生成するバックアップ計画を設定すると仮定します。通常は次のような方法でこれを実行します。次の表に、2 か月間のこの計画の例を示します。
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月
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火
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水
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木
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金
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土
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日
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1/1 - 1/7
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D
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D
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D
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D
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W
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-
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1/8 - 1/14
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D
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D
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D
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D
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W
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-
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1/15 - 1/21
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D
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D
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D
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D
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W
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-
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-
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1/22 - 1/28
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D
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D
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D
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D
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M
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-
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-
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1/29 - 2/4
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D
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D
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D
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D
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W
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-
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-
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2/5 - 2/11
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D
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D
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D
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D
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W
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-
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-
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2/12 - 2/18
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D
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D
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D
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D
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W
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-
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-
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2/19 - 2/25
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D
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D
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D
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D
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M
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-
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-
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2/26 - 3/4
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D
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D
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D
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D
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W
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-
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-
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日単位のバックアップは、金曜日を除くすべての平日に実行され、金曜日には週単位および月単位のバックアップが実行されます。月単位のバックアップは毎月第 4 金曜日に実行され、週単位のバックアップは他のすべての金曜日に実行されます。
- 月単位(Grandfather)のバックアップは完全バックアップ。
- 週単位(Father)のバックアップは差分。
- 日単位(Son)のバックアップは増分。
パラメータ
GFS (Grandfather-Father-Son)スキームでは、次のパラメータを設定できます。
バックアップの開始時刻:
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バックアップを開始する時刻を指定します。デフォルト値は午後 12 時です。
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バックアップの実行日:
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バックアップを実行する日付を指定します。デフォルト値は平日です。
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週単位/月単位:
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[バックアップの実行日]フィールドで選択した日のうちどの日を週単位または月単位のバックアップ用に予約するかを指定します。月単位のバックアップは毎月 4 番目のその曜日に実行されます。デフォルト値は金曜日です。
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バックアップの保持期間:
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バックアップをアーカイブ内に保存する期間を指定します。期間は、時間、日、週、月、年で設定できます。月単位のバックアップでは、無期限に保存する場合は[無期限に保持]を選択することもできます。
各バックアップの種類のデフォルト値は次のとおりです。
日単位: 7 日(推奨される最小値)
週単位: 4 週間
月単位: 無期限
週単位のバックアップの保持期間は日単位のバックアップより長くする必要があり、月単位のバックアップの保持期間は週単位のバックアップの保持期間より長くする必要があります。
日単位のバックアップの保持期間を 1 週間以上に設定することをお勧めします。
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常に、バックアップは、そのバックアップに直接依存しているすべてのバックアップも削除対象になるまで削除されません。このため、有効期限が数日経過した週単位または月単位のバックアップがアーカイブ内に残っている場合があります。
スケジュールによって最初に日単位または週単位のバックアップが開始される場合は、代わりに完全バックアップが作成されます。
例
先週の各曜日、先月の各週
多くのユーザーが役立つと考える GFS バックアップ スキームについて考えてみましょう。
- 週末を含む毎日ファイルをバックアップする。
- 過去 7 日間の任意の日付のファイルを復元できる。
- 先月の週単位のバックアップにアクセスできる。
- 月単位のバックアップを無期限に保存する。
バックアップ スキームのパラメータを次のように設定できます。
- バックアップの開始時刻: 午後 11:00
- バックアップの実行日: 毎日
- 週単位/月単位: 土曜日(例)
- バックアップの保存期間:
- 日単位: 1 週間
- 週単位: 1 か月
- 月単位: 無期限
結果として、日単位、週単位、月単位のバックアップのアーカイブが作成されます。 日単位のバックアップは作成後 7 日間使用できます。 たとえば、1 月 1 日(日曜日)の日単位のバックアップは次の 1 月 8 日(日曜日)まで使用できます。1 月 7 日(土曜日)の最初の週単位のバックアップは、2 月 7 日までシステムに保存されます。月単位のバックアップは削除されません。
ストレージの制限
大きなアーカイブを保存するために膨大なサイズの格納域を用意したくない場合は、バックアップの保存期間が短くなるように GFS スキームを設定し、同時に不測のデータ損失が発生した場合に情報を復元できるようにすることができます。
次のような要件があると仮定します。
- 各平日の最後にバックアップを実行する。
- 誤って削除されたかまたは不注意で変更されたファイルを、比較的早期に見つかった場合に復元できる。
- 週単位のバックアップに作成後 10 日間アクセスできる。
- 月単位のバックアップを半年間保存する。
バックアップ スキームのパラメータを次のように設定できます。
- バックアップの開始時刻: 午後 6:00
- バックアップの実行日: 平日
- 週単位/月単位: 金曜日
- バックアップの保存期間:
- 日単位: 1 週間
- 週単位: 10 日
- 月単位: 6 か月
このスキームを使用すると、破損したファイルの以前のバージョンを日単位のバックアップから 1 週間にわたり復元でき、週単位のバックアップに 10 日間アクセスできます。それぞれの月単位の完全バックアップは、作成日から 6 か月間使用できます。
作業スケジュール
非常勤の会計コンサルタントとして、火曜日と木曜日に会社で作業をしているとします。これらの日には、自分のラップトップ コンピュータで会計文書や財務諸表の変更、スプレッドシートの更新などを行います。このデータをバックアップするために、次の作業を行います。
- 火曜日と木曜日に行った財務諸表やスプレッドシートなどに対する変更の追跡(日単位の増分バックアップ)。
- 先月以降のファイルの変更に関する週単位の要約の作成(金曜日の週単位の差分バックアップ)。
- 月単位のファイルの完全バックアップ。
また、日単位のバックアップを含め、最近 6 か月のすべてのバックアップにアクセスできるようにします。
このような目的には、次の GFS スキームが適しています。
- バックアップの開始時刻: 午後 11 時 30 分
- バックアップの実行日: 火曜日、木曜日、金曜日
- 週単位/月単位: 金曜日
- バックアップの保存期間:
- 日単位: 6 か月
- 週単位: 6 か月
- 月単位: 5 年
これで、火曜日と木曜日に日単位の増分バックアップが作成され、金曜日は週単位と月単位のバックアップが実行されます。[週単位/月単位]フィールドで[金曜日]を選択するには、まず[バックアップの実行日]フィールドでその曜日を選択しておく必要があります。
このようなアーカイブを作成すると、作業の最初の日と最後の日の会計文書の比較、すべての文書の 5 年間にわたる履歴の保持などを行うことができます。
日単位のバックアップなし
次のような少し変わった GFS スキームについて考えてみます。
- バックアップの開始時刻: 午後 12:00
- バックアップの実行日: 金曜日
- 週単位/月単位: 金曜日
- バックアップの保存期間:
- 日単位: 1 週間
- 週単位: 1 か月
- 月単位: 無期限
このスキームでは、バックアップは金曜日にのみ実行されます。これにより、金曜日に週単位または月単位のバックアップが実行され、日単位のバックアップを行う他の曜日は残っていません。そのため、作成される "祖父-父" アーカイブは、週単位の差分バックアップと月単位の完全バックアップのみで構成されます。
GFS を使用するとこのようなアーカイブを作成することもできますが、この状況にはカスタム スキームのほうがより柔軟に対応できます。