LVM のスナップショット
このオプションは、Linux オペレーティング システムの場合にのみ有効です。このオプションは、Linux 論理ボリューム マネージャ(LVM)が管理しているボリュームのディスクレベル バックアップとファイルレベル バックアップの両方で有効です。このようなボリュームは、論理ボリュームとも呼ばれます。
このオプションは、論理ボリュームのスナップショットを取得する方法を定義します。Acronis Backup & Recovery 11.5 は、それ自体でスナップショットを取得することも、Linux 論理ボリューム マネージャ(LVM)に取得させることも可能です。スナップショットを使用することによって、バックアップ処理中にデータが変化する可能性がある複数ボリュームを、時間的な整合性を保ってバックアップすることができます。
デフォルト設定は、[Acronis Backup & Recovery 11.5] です。
次のいずれかを選択します。
- Acronis Backup & Recovery 11.5
Acronis Backup & Recovery 11.5 は、それ自体でスナップショットを取得します。この設定では、バックアップは高速で正常に進み、ボリューム グループに未割り当て領域は必要ありません。したがって、論理ボリュームのバックアップに問題が発生した場合にのみデフォルトを変更することをお勧めします。
Acronis Backup & Recovery 11.5 は、LVM が取得したスナップショットを使用します。このスナップショットは、ボリューム グループの未割り当て領域に格納されます。未割り当て領域が無い場合は、Acronis Backup & Recovery 11.5 がそれ自体でスナップショットを取得します。
LVM のスナップショット取得の詳細説明
ボリュームのスナップショットが取得されて、そのデータの変更が開始されると、以前のデータはバックアップに保存されるまでどこか別の場所に保持される必要があります。
- Acronis は、多くの場合、以前のデータを RAM に保持します。(ファイルレベルのバックアップ中、以前のデータのサイズが非常に大きくなる場合は、ソフトウェアが /tmp に一時ファイルを作成することがあります。)
- LVM では、以前のデータを保持するために一時的な論理ボリューム(スナップショット論理ボリューム)を必要とします(http://tldp.org/HOWTO/LVM-HOWTO/snapshots_backup.html を参照してください)。このデータをディスクに書き込むと、ディスク I/O 処理が大量に発生します。そのため、LVM によってスナップショットが取得されているときはバックアップ速度が遅くなります。
LVM を使用する場合は、Acronis Backup & Recovery 11.5 がそれ自体のスナップショット論理ボリュームを作成します。ソフトウェアの処理は、次のように進みます。
- バックアップ ボリュームのサイズを確認します(データ サイズではなく、ボリュームのサイズ)。
- そのサイズの 10 パーセントを計算します(たとえば 10 GB)。
- 対応するボリューム グループに少なくとも 10 GB の未割り当て領域があることを確認します。
- 未割り当て領域がある場合は、10 GB のスナップショット論理ボリュームを作成して(lvcreate -s コマンドを使用)、バックアップを開始します。領域が無い場合、ソフトウェアは Acronis スナップショットを使用してバックアップします。
- 必要がなくなったらすぐに、スナップショット ボリュームを削除します。
複数の論理ボリュームは 1 つずつバックアップされます。それぞれに対して、個別の(対応するサイズの)スナップショット ボリュームが作成されます。一度に格納されるスナップショット ボリュームは 1 つだけです。
ソフトウェアがスナップショットを保持しているときにデータが非常に高速に変更されると、スナップショット論理ボリュームのための領域が不足してバックアップは失敗します。そのため、/etc/Acronis/BackupAndRecovery.config で、10 % のデフォルト値を最高 100 %(成功が保証される値)までの任意の値に変更できます。
スナップショット 論理ボリュームのデフォルトのサイズを変更するには、次の操作を実行します。
- 使用する未割り当て領域のサイズを決定します。2 つ以上の論理ボリュームをバックアップする場合は、その中の最大サイズを基準にしてください。
ヒント: ボリューム グループの未割り当て領域の大きさを表示するには、vgdisplay コマンドを実行して、Free PE / Size 行を確認します。論理ボリュームのサイズを表示するには、lvdisplay コマンドを実行して、LV Size 行を確認します。
- テキスト エディタでファイル /etc/Acronis/BackupAndRecovery.config を開きます。
- <value name="MMSDirPath" type="TString"> 行を見つけます。
- その行の直前に次のフラグメントを追加します。
<key name="LVMSnapshots">
<value name="MinimalVGFreeRelative" type="TString">
20
</value>
</key>
この例では、新しい値は 20 % です。数値は整数である必要があります。
- ファイルを保存します。新しい設定は、次のバックアップから有効になります。サービスの再起動は必要ありません。