例 2. 低帯域幅ネットワーク接続を通じたリモート領域へのバックアップ
事例: ある企業の支店には 500 GB のデータをホストしている Exchange メールボックス専用サーバーがあります。オフィス間で使用できるネットワーク帯域幅では、1 時間あたり約 5 GB のデータを転送できます。したがって、この Exchange メールボックス データベースをネットワーク経由でバックアップするには約 100 時間が必要です。このサーバーで 1 日あたりに変更されるデータ量が 5 GB を超えることはほとんどありません。
ソリューション: ネットワーク経由でデータベース全体を転送する代わりに、高速完全バックアップ メソッドを使って、Exchange Server の完全バックアップを行います。最初のバックアップは必要なので、このバックアップを USB ハード ドライブのような着脱可能なメディアにエクスポートし、このメディアを本社に送付します。本社で、このバックアップを重複除外格納域にエクスポートします。その後、これ以降の高速完全バックアップのバックアップ先として、この重複除外格納域が使用されるようにバックアップ計画を設定します。
実行する手順
支店で最初の完全バックアップを実行します。
エージェント for Exchange が実行されているコンピュータにコンソールを接続します。 [バックアップ計画の作成] をクリックし、次のように設定します。[バックアップの対象] で、目的のサーバーのデータを選択します。[バックアップ先] で以下を実行します。データを保存する格納域を指定します。 [名前] フィールドでアーカイブ名の前に [Machine Name] 変数を指定します。完全なアーカイブ名は [Machine Name]_Archive(N) などになっています。[Machine Name] はコンピュータの名前を表し、N は連続番号です。[バックアップ方法] で [手動による開始] を選択します。[バックアップの種類の表示、ベリファイ] をクリックして、[バックアップの種類] の設定にアクセスします。[バックアップの種類] で [完全] を選択します。[OK] をクリックして、バックアップ計画を作成します。[バックアップの計画およびタスク] ビューには、直前に作成したバックアップ計画が表示されます。このバックアップ計画を選択して、[実行] をクリックします。最初のバックアップを着脱可能なメディアにエクスポートします。
バックアップの作成後に、バックアップを保存している格納域に移動します。 [格納域] ビューで、[アーカイブ ビュー] タブをクリックし、作成したバックアップを選択します。 [エクスポート] をクリックします。[エクスポート] ページの [バックアップ先] で、USB ハード ドライブへのパスを指定します。[OK] をクリックして、バックアップをエクスポートします。エクスポートが完了したら、このドライブを本社に送付します。 バックアップのリモート ロケーションへのエクスポート
本社で、エージェント for Exchange を実行しているコンピュータにこのドライブを接続します。 コンソールをこのコンピュータに接続します。 [アクション] メニューで [バックアップのエクスポート] を選択します。[エクスポートの対象] で、接続されたドライブ上のアーカイブを選択します。[エクスポート先] で重複除外格納域を選択します。[OK] をクリックして、バックアップをエクスポートします。高速完全バックアップのスケジュールの作成
支店で、エージェント for Exchange が実行されているコンピュータにコンソールを接続します。 [バックアップ計画の作成] をクリックします。[バックアップの対象] で、最初の完全バックアップを作成したデータを選択します。[バックアップ先] で以下を実行します。エクスポートしたアーカイブを含む格納域を選択します。 [名前] フィールドに、次のように入力します。[アプリケーション インスタンス名]_Archive(N) 、N はエクスポートしたバックアップと同じ番号で置き換えます。たとえば、エクスポートされたバックアップ名が machine1.corp.com_Archive(1) である場合、括弧内に指定する連続番号は [アプリケーション インスタンス名]_Archive(1) のように同じである必要があります。[バックアップ方法] で [シンプル] バックアップ スキームを選択します。[スケジュール] で [日単位] を選択し、毎日のバックアップ スケジュールを指定します。[バックアップの種類の表示、ベリファイ] をクリックして、[バックアップの種類] の設定にアクセスします。[バックアップの種類] では、[高速完全バックアップ メソッドを使用した完全バックアップの作成] を選択します。バックアップ計画のその他の設定(バックアップのレプリケーション、保持、およびベリファイ)に関する詳細については、製品のヘルプ システムの「バックアップ 」、または Acronis Backup & Recovery 11.5 のアドバンスト エディションのマニュアルを参照してください。 [OK] をクリックして、作成したバックアップ計画を保存します。