USN ロールバックの回避

ドメインに複数のドメイン コントローラがあり、いずれかのコントローラまたはそのデータベースを復元する必要がある場合、USN ロールバックに対処することを検討してください。

VSS ベースのディスクレベルのバックアップからドメイン コントローラ全体を復元すれば、USN ロールバックが発生する可能性は低くなります。

次のいずれかが当てはまる場合は、USN ロールバックが発生する可能性が高くなります。

いくつかの簡単な手順で USN ロールバックを回避するのに役立つ情報を、以下に示します。

レプリケーションと USN

Active Directory データは、ドメイン コントローラ間で頻繁にレプリケートされます。特定の時点で、同じ Active Directory オブジェクトの新しいバージョンが 1 つのドメイン コントローラ上に存在し、別のドメイン コントローラ上に古いバージョンが存在することがあります。競合や情報の損失を防ぐために、Active Directory は各ドメイン コントローラ上のオブジェクトのバージョンを追跡し、古くなったバージョンを最新バージョンに置き換えます。

Active Directory は、オブジェクトのバージョンを追跡するために、更新シーケンス番号(USN)と呼ばれる番号を使用します。Active Directory オブジェクトのバージョンが新しいほど、それに対応する USN は大きくなります。各ドメイン コントローラは、他のすべてのドメイン コントローラの USN を保持します。

USN ロールバック

ドメインコントローラまたはデータベースの権限のない復元を実行した後に、そのドメイン コントローラの現在の USN が古い(小さい)USN に置き換えられます。しかし、他のドメイン コントローラはこの変更を認識しません。それらのドメイン コントローラは依然として、そのドメイン コントローラの最新の既知の(大きい)USN を保持しています。

結果として、次のような問題が発生します。

USN ロールバックを回避するには、復元されたという事実をドメイン コントローラに通知する必要があります。

USN ロールバックを回避するには、次の手順を実行します。

  1. ドメイン コントローラまたはそのデータベースを復元した直後に、復元されたドメイン コントローラを起動し、起動中に F8 キーを押します。
  2. [詳細ブート オプション] 画面で、[ディレクトリ サービス復元モード] を選択し、ディレクトリ サービス復元モード(DSRM)にログオンします。
  3. レジストリ エディターを開いて、次のレジストリ キーを展開します。

    HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\NTDS\Parameters

  4. そのレジストリ キーで DSA Previous Restore Count の値を調べます。この値が存在する場合は、その設定をメモします。この値がない場合に値を追加しないでください。
  5. そのレジストリ キーに次の値を追加します。
  6. ドメイン コントローラをノーマル モードで再起動します。
  7. (オプション)ドメイン コントローラを再起動した後でイベント ビューアを開き、[アプリケーションとサービス ログ] を展開し、[ディレクトリ サービス] ログを選択します。[ディレクトリ サービス] ログで、イベント ID 1109 の最新のエントリを探します。このエントリが見つかったら、ダブルクリックして、起動 ID 属性が変更されていることを確認します。これは、Active Directory データベースが更新されていることを示します。
  8. レジストリ エディタを開き、DSA Previous Restore Count 値の設定が、手順 4 と比べて 1 増加していることを確認します。手順 4 で DSA Previous Restore Count 値がなかった場合は、この時点で値が存在し、1 に設定されていることを確認します。

    異なる設定が表示される場合(およびイベント ID 1109 のエントリが見つからない場合)、復元されたドメイン コントローラに最新のサービス パックが適用されていることを確認し、すべての手順を繰り返します。

USN および USN ロールバックの詳細については、http://technet.microsoft.com/en-us/library/virtual_active_directory_domain_controller_virtualization_hyperv.aspx の Microsoft Technet の記事を参照してください。