Linux ベースのブータブル メディアを使用して MD デバイスと論理ボリュームを復元するときの一般的な手順と、その復元の例を次に示します。Linux でも同様の手順を使用できます。
手動でボリューム構成を作成するには
注意: pvcreate や vgcreate などの LVM(論理ボリュームマネージャ) ユーティリティ(通常は Linux に存在しています)は、ブータブル メディア環境には含まれていません。そのため、対応するコマンドを使用して、lvm ユーティリティを使用する必要があります。lvm pvcreate、lvm vgcreate、および lvm lvcreate などがあります。
(この時点でコンピュータを再起動しないでください。再起動すると、ボリューム構成をもう一度作成しなければならなくなります。)
注意: リモートから Acronis Backup & Recovery 11.5 ブータブル エージェントに接続している場合はコマンド シェルを使用できないため、この手順は実行できません。
例
以前に、次のディスク構成のコンピュータのディスクレベル バックアップを実行したことがあるとします。
この設定を次の図に示します。
次の手順を実行して、このアーカイブからデータをリカバリします。
手順 1: ボリューム構成の作成
mdadm --create /dev/md0 --level=1 --raid-devices=2 /dev/sd[ab]
mdadm --create /dev/md1 --level=1 --raid-devices=2 /dev/sd[cd]
注意: pvcreate コマンドを実行すると、/dev/md0 および /dev/md1 デバイス上のデータがすべて消去されます。
lvm pvcreate /dev/md0 /dev/md1
lvm vgcreate my_volgroup /dev/md0 /dev/md1
lvm vgdisplay
lvm vgdisplay コマンドの出力には、次に示すような行が含まれています。
--- Volume group ---
VG Name my_volgroup
...
VG Access read/write
VG Status resizable
...
VG Size 1.99 GB
...
VG UUID 0qoQ4l-Vk7W-yDG3-uF1l-Q2AL-C0z0-vMeACu
lvm lvcreate -L1.99G --name my_logvol my_volgroup
lvm vgchange -a y my_volgroup
手順 2: リカバリの開始
ブータブル メディア環境で使用できるコマンドとユーティリティの一覧については、「Linux ベースのブータブル メディアで使用できるコマンドとユーティリティの一覧」を参照してください。acrocmd ユーティリティの詳細な説明については、Acronis Backup & Recovery 11.5 コマンドライン リファレンスを参照してください。
バックアップ ボリュームのマウント
たとえば、リカバリを開始する前に、ボリューム内のいくつかのファイルを確認するために、ディスク バックアップに保存されているボリュームのマウントが必要になることがあります。
バックアップ ボリュームをマウントする手順は、次のとおりです。
acrocmd list content --loc=\\server\backups --credentials=user,MyPassWd --arc=linux_machine
出力には、次に示すような行が含まれています。
type: disk
Num Partition Flags Size Type GUID
---------- -------------------- ---------- ---------- ------------- --------
Dyn1 my_volgroup-my_lo... 4 GB Ext 3
Dyn2 md0 2.007 GB Ext 2
Disk 1 sda 16 GB DT_FIXED
1-1 sda1 Act,Pri 203.9 MB Ext 2
1-2 sda2 Pri 11.72 GB Reiser
1-3 sda3 Pri 1.004 GB Linux swap
Disk 2 sdb 8 GB DT_FIXED
2-1 sdb1 Pri 2.007 GB Ext 2
2-2 sdb2 Pri 2.007 GB None
Disk 3 sdc 1 GB DT_FIXED
Disk 4 sdd 8 GB DT_FIXED
4-1 sdd1 Pri 2.007 GB Ext 2
4-2 sdd2 Pri 2.007 GB None
acrocmd mount --loc=\\server\backups --arc=linux_machine --mount_point=/mnt --volume=DYN1
このコマンドで、論理ボリューム DYN1 が、マウント ポイント /mnt にマウントされます。
バックアップ ボリュームのマウントを解除する手順は、次のとおりです。
acrocmd umount --mount_point=/mnt