概要

重複除外とは、データの反復を検出して同一のデータを 1 回だけ保存することで、データによって使用されるストレージ領域を最小限に抑える処理です。

重複除外によってネットワーク負荷も軽減できます。バックアップ時に、あるデータが既に保存されているものと同じであることが検出されると、その内容はネットワーク経由で転送されません。

格納域を作成するときに重複除外を有効にすると、Acronis Backup はバックアップの重複を除外して管理対象格納域に保存します。重複除外が有効になっている格納域は、重複除外格納域と呼ばれます。

重複除外は、データ ブロックに対して実行されます。ブロック サイズは、ディスクレベルのバックアップの場合は 4 KB で、ファイルレベルのバックアップの場合は 1 KB から 256 KB です。256 KB 以下の各ファイルは、1 データ ブロックと見なされます。256 KB より大きいファイルは 256 KB のブロックに分割されます。

Acronis Backup は、次の 2 つの手順で重複除外を実行します。

ソースでの重複除外

バックアップ時に管理対象のコンピュータで実行されます。エージェントはストレージ ノードを使用して重複除外の対象データを判断し、格納域に既に存在するデータ ブロックと重複しているデータは転送しません。

ターゲットでの重複除外

バックアップの完了後に格納域で実行されます。ストレージ ノードは格納域の内容を分析し、格納域でデータを重複除外します。

バックアップ計画を作成する際には、その計画のソースでの重複除外を無効にできます。これによってバックアップの処理速度は速くなりますが、ネットワークとストレージ ノードの負荷は大きくなります。

重複除外データベース

重複除外格納域を管理している Acronis Backup ストレージ ノードは、格納域に保存されたすべてのデータ ブロック(暗号化されたファイルなどの重複除外できないデータ ブロックは除きます)のハッシュ値が含まれる重複除外データベースを保持します。

重複除外データベースは、ストレージ ノードのローカル フォルダに格納されます。データベースのパスは、格納域の作成時に指定できます。

重複除外データベースのサイズは、格納域に格納された一意のデータの合計サイズの約 1.5 % です。つまり、1 TB の(重複しない)データが追加されるごとに、データベースに約 15 GB が追加されます。

そのデータベースが破損したりストレージ ノードが失われたりして、格納域にその内容が保持されている場合、新しいストレージ ノードによってその格納域が再スキャンされ、格納域データベースが再作成されて、次に重複除外データベースが作成されます。