Microsoft 365 で作成・保存されるデータ量は爆発的に増加しています。これは生産性の面では朗報ですが、データ保持を担う専門家にとっては必ずしも歓迎すべき状況ではありません。
作成されるファイルが増えるほど、保持すべきデータも増加します。規制産業では、罰金や制裁のリスクのもとでデータ保持が義務付けられています。また、規制の有無にかかわらず、データ保持は顧客の信頼とビジネス継続性を維持するうえで不可欠です。欧州連合(EU)の約 4 億 5,000 万人の市民に関するデータを扱う、すべての組織に適用される GDPR などの規制にも対応する必要があります。
要するに、強力な Microsoft 365 バックアップ戦略がなければ、あらゆる組織はデータを統制できなくなり、規制や運用上のリスクにさらされることになります。
AI が Microsoft 365 のデータ増加を加速
Microsoft 365 の利用範囲は広がり続けています。SaaS Ultra によると、Microsoft Teams だけでも、1 日のアクティブユーザー数は 3 億 2,000 万を超え、前年比 23% 増となっています。これらのユーザーによって、毎月 10 億件を超えるファイルが送信されています。
AI がファイル量の爆発的な増加に拍車をかけています。SQ Magazine によると、Microsoft Copilot によって業務が迅速化したと回答した業務担当者が 70% に達し、これがコンテンツ作成量の増加に寄与していると報告されています。Microsoft も、ユーザーが毎日 30 億件以上のファイルを Microsoft 365 に追加していることを公表しています。
Copilot はコンテンツの生成を支援するだけではありません。Microsoft 365 全体のメール、ドキュメント、チャット、ファイルをインデックス化し、それらのデータを検索可能にして AI が生成した回答に活用できるようにしています。これにより、非常に動的で相互に連携したデータ環境が形成されています。
データの増加が新たなリスクを生む
データ量が増加するにつれて、その管理に伴うリスクも増大します。懸念すべき点の 1 つは、Copilot のような AI システムは、ユーザーが削除したと思っているデータを引き続き参照してしまう可能性があることです。そのデータが保持ポリシーやインデックスシステム内に残存していると、AI の生成結果に影響を及ぼし続ける可能性があります。「削除した」はずのデータが想定外の影響を与えることで、正確性、プライバシー、コンプライアンスに潜在的な問題が生じる可能性があります。
一方で Microsoft は、責任共有モデルの元でサービスを提供しています。Microsoft は、サービスの可用性を保証する一方で、Microsoft 365 の包括的なバックアップを提供することはなく、長期的なデータの保持・復旧に関しても責任を負いません。
こうした明確な方針により、組織は誤削除、内部脅威、サイバー攻撃に起因するデータ損失に対して脆弱な状態となります。環境が拡大するにつれて、これらのリスクは発生頻度が高まり、このサービス専用の保護なしでは管理がさらに難しくなります。したがって、組織は自らデータをバックアップし、確実に利用可能な状態に保つ必要があります。Microsoft は、そうした保護をユーザーに代わって提供することはありません。
バックアップと保持戦略がこれまで以上に重要な理由
AI によるデータ増加のスピードに対応するためには、バックアップとデータ保持を Microsoft 365 戦略の中核として位置づけるべきです。
Microsoft 365 に特化したバックアップソリューションを導入することで、Exchange Online、SharePoint、OneDrive、Teams にわたるデータを迅速かつ完全に復旧できる体制が整います。この機能は、ユーザーによるファイル削除、アカウント侵害、ランサムウェアによるクラウド環境への影響といった事態において不可欠な役割を果たします。
Microsoft 365 のメールアーカイブもまた、ビジネスコミュニケーションを記録として確実に残すための重要な役割を果たします。メールは、契約、承認、規制関連文書の記録システムとして機能し続けています。アーカイブにより長期保存が可能になり、eDiscovery が簡素化され、監査や法的要請にも自信を持って対応できるようになります。
規制が厳格な業界で高まるコンプライアンスへの圧力
規制が厳格な業界では、強固なバックアップとデータ保持の必要性が一段と高まっています。たとえば、金融業界では、組織はコミュニケーションや取引記録を何年にもわたり保持する必要があります。データ量が増加し、AI ツールがシステム全体からインサイトを引き出すようになるにつれ、データ保持ポリシーを適切に運用しなければ、記録の欠落や不整合が生じるリスクが高まります。
医療分野においては、その影響はさらに深刻になるでしょう。医療機関は、機密性の高い患者情報を保護しつつ、監査や診療に必要なデータを常に利用可能な状態に保たなければなりません。AI が大規模なデータセットにアクセスする時代だからこそ、組織は正確でコンプライアンスに準拠したデータのみを保持する必要があります。いずれの業界においても、Microsoft 365 のバックアップとアーカイブを組み合わせることで、必要なデータを完全な状態で保持し、いつでも利用可能な状態に維持できます。
Copilot がデータ管理のあり方を変える
Copilot は Microsoft 365 環境全体の情報を連携することで、これまで分断されていたデータがより広範なナレッジベースの一部になります。これにより、古いデータや重複データが見えやすくなり、本来削除またはアーカイブされるべき情報が表に出るリスクが高まります
組織は、もはや単にデータを保存するだけでなく、データのガバナンスに注力する必要があります。そのためには、保有しているデータの内容、保持期間、そして必要時にどのように復旧できるかを正確に理解しておくことが求められます。そのレベルの統制がなければ、AI は既存のデータ管理の不備を増幅させる可能性があります。
Microsoft 365 における最新のデータ保護戦略の策定
Microsoft 365 のデータ保護に対する最新のアプローチは、バックアップとアーカイブという 2 本柱から始まります。バックアップは、Microsoft 365 の各サービスに保存されるデータに対し、独立した復旧可能なコピーを確保する役割を担っています。アーカイブは、重要なコミュニケーションを長期にわたって保持し、必要なときに迅速にアクセスできるようにします。
ネイティブツールだけに依存している組織は、データ保持要件や復旧に対する期待に応えることが困難になるでしょう。包括的な Microsoft 365 バックアップとメールアーカイブに投資する組織は、データ保護、コンプライアンスの維持、そして AI の影響を受けるデータの統制において、より優位な立場を確立することができます。
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アクロニスが Microsoft 365 環境のセキュリティ確保にどのように貢献するかをご確認ください。
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