Microsoft 365 は、データの共有、作成、共同作業に大変優れています。しかし、データ保護となると話はまったく別です。それは決して簡単なことではありません。多くの組織は、Microsoft が自身の情報を完全に保護してくれていると誤解しており、いざ問題が発生した際に初めて、その保護には抜け穴があることに気づきます。
だからこそ、データのリテンション、バックアップ、アーカイブが極めて重要になります。この 3 つの概念には共通点もありますが、目的は大きく異なります。さらに重要なのは、それぞれを代わりに使うことはできないという点です。Microsoft 365 のデータを適切に保護し、コンプライアンス、セキュリティ、事業継続性の要件を満たすには、この 3 つすべてが必要になります。
ここでは、それぞれの役割、限界、そして組み合わせて使うことで最も効果を発揮する理由を解説します。
Microsoft 365 のリテンションとは?
リテンションとは、Microsoft 365 がデータを削除するまでの保持期間を管理するポリシーのことです。Microsoft 365 では、リテンションポリシーは通常、コンプライアンスおよびガバナンスのために使用されます。
たとえば、次のようなケースです。
- 規制要件を満たすために、メールを 7 年間保持する
- 特定のファイルやメールボックスの削除を防止する
- 一定期間経過後に、古いデータを自動的に削除する
リテンションポリシーは、Microsoft 365 内で適用され、次のようなツールを使って実行されます。
- Microsoft Purview(コンプライアンスセンター)
- リテンションラベルとポリシー
- 訴訟ホールドと eDiscovery
リテンションが効果を発揮する領域
- 法律および各種規制へのコンプライアンスを確保
- 重要なデータの誤削除または意図的な削除を防止
- 情報のライフサイクル管理を自動化
リテンションの限界
リテンションは、従来の意味でのデータ保護ではありません。
- データのコピーを別途作成することはありません
- データが破損した場合、リテンションはその破損したバージョンをそのまま保持します
- 実用的なリカバリという観点では、ランサムウェアに対する十分な保護は提供しません
- Microsoft 365 環境に依存しているため、アクセスが侵害されるとデータも危険にさらされます
結論: リテンションはデータの保持には役立ちますが、クリーンなデータのリカバリを保証するものではありません。
Microsoft 365 のバックアップとは?
バックアップは、Microsoft 365 データの独立したコピーを作成し、何か問題が発生した場合に復元できるようにします。
対象となるデータは以下の通りです。
- Exchange Online(メールとカレンダー)
- OneDrive のファイル
- SharePoint のデータ
- Microsoft Teams の会話とファイル
バックアップは通常、次のような機能を備えています。
- Microsoft 365 の外部に保存することで、隔離状態を維持
- バージョン管理されているため、過去の状態へ復元
- ファイル、メールボックス、テナントといった複数のレベルでリカバリ
バックアップが効果を発揮する領域
- 誤削除やデータ損失から保護
- ポイントインタイムリカバリが可能
- クリーンなコピーを復元することで、ランサムウェア対策を提供
- ディザスタリカバリとビジネス継続性を支援
バックアップの限界
- 長期アーカイブ保存には適していません
- 本質的に保持ルールや証拠保全を施行するものではありません
- 長期的なアーカイブとして使用する場合、コストが増大する可能性があります
結論: バックアップは、データを確実にリカバリできますが、コンプライアンスや長期保存には適していません。
Microsoft 365 のアーカイブとは?
アーカイブは、データを安全で検索可能なリポジトリに長期保存するプロセスであり、通常はコンプライアンス、法的証拠開示、または履歴参照のために行われます。
バックアップとは異なり、アーカイブには以下の特長があります。
- 長期保持向けに設計
- インデックス化されており検索が可能
- 多くの場合、不変(改ざん防止)
- コスト効率の高いストレージ向けに最適化
事例としては以下のようなものがあります。
- コンプライアンス要件に対応するメールアーカイブ
- 監査用の履歴データの保存
- 法的証拠開示に備えた通信記録の保全
アーカイブが効果を発揮する領域
- 履歴データの高速検索と取得
- コンプライアンスと eDiscovery を支援
- プライマリシステムのストレージ負荷を軽減
- 長期にわたり改ざん防止されたデータ保存を提供
アーカイブの限界
- 運用環境のリカバリ用には設計されていない
- システム全体や環境全体の復元には適していない
- バックアップのような迅速なロールバックはできない。
結論: アーカイブは、履歴データの保存と検索に役立ちますが、リカバリや運用継続を目的としたものではありません。
Microsoft 365 でリテンション、バックアップ、アーカイブが必要な理由
1 つのソリューションですべてをカバーできると考えがちですが、リテンション、バックアップ、アーカイブはそれぞれ異なる課題を解決します。
それぞれがどのように補完し合うかを見てみましょう。
実例
- ユーザーが重要なファイルを誤って削除した場合、バックアップにより復元できます
- ランサムウェアによって SharePoint データが暗号化された場合でも、バックアップによりクリーンなバージョンをリカバリできます
- 監査担当者から 6 年前のメールを求められた場合、アーカイブによりすぐに取得できます
- 規制はデータの保存を義務付けており、リテンションポリシーはその遵守を強制します
各層はそれぞれ異なるリスクに対応しています。
- リテンション = コンプライアンスの施行
- バックアップ = 運用の復旧
- アーカイブ = 長期的な情報活用とガバナンス
この 3 つが揃っていなければ、抜け穴が生じます。
Microsoft 365 における責任共有の抜け穴
Microsoft は、基本的なリテンションと可用性を提供しますが、責任共有モデルにおいては、サービスの稼働は Microsoft が保証する一方で、データの保護はユーザーの責任となります。
これには、次のようなリスクから情報を守ることが含まれます。
- 誤削除
- 悪意のある内部関係者
- ランサムウェア攻撃
- コンプライアンス違反
Microsoft 365 のネイティブ機能だけでは不十分なことが多く、特にきめ細かなリカバリ、長期アーカイブ、独立したデータ保護の面で限界があります。
Acronis Cyber Platform によるリテンション、バックアップ、アーカイブの実現方法
Acronis Cyber Platform は、バックアップ、リカバリ、アーカイブの各機能をネイティブに統合したサイバー保護プラットフォームを提供し、高コストで管理が煩雑になりがちな断片化したツールを不要にします。
Microsoft 365 向けバックアップとリカバリ
アクロニスは、以下の製品に包括的なバックアップを提供します。
- Exchange Online
- OneDrive
- SharePoint
- Microsoft Teams
主な機能
- きめ細かなリカバリ(メール、ファイル、フォルダ、メールボックス全体)
- クリーンなバージョンへのポイントインタイムリストア
- Microsoft 365 の外部にある、安全で独立したストレージ
- ランサムウェアや誤削除からの保護
これにより、インシデント発生時でも事業継続と迅速なリカバリを確保できます。
コンプライアンスに対応する安全なアーカイブ
Acronis Email Archiving は、次の機能を提供します。
- 長期かつ改ざん防止のデータ保存
- eDiscovery に向けた高速な検索・取得
- ポリシーベースのデータリテンション
- プライマリシステムの負荷軽減
これらの機能は、組織がコンプライアンス要件を遵守しながら、履歴データを必要なときに参照できるようにするうえで役立ちます。
統合されたリテンションとデータガバナンス
ポリシー主導の自動化を通じて、アクロニスは以下の施行に貢献します。
- データのライフサイクル管理
- 規制要件に沿ったリテンションポリシー
- インテグリティ検証機能を備えた安全なストレージ
アクロニスが際立つ理由
リテンション、バックアップ、アーカイブを個別に導入するのではなく、アクロニスはこれらを統合して提供します
- 3 つの機能をネイティブに統合したプラットフォーム
- ワークロード全体の一元管理
- サイバー保護を組み込んで強化されたセキュリティ
- 50 ヵ所以上のデータセンターのグローバルネットワークから提供する無制限のストレージ
この統一されたアプローチにより、Microsoft 365 環境全体でデータ保護を強化しながら、複雑さを軽減します。
Microsoft 365 のリテンション、バックアップ、アーカイブが連携して優れた効果を発揮する
リテンション、バックアップ、アーカイブは競合するソリューションではありません。これらは現代のデータ保護を支える補完的な柱です。
- リテンションは、コンテンツのライフサイクル管理を容易にし、コンプライアンス対応を支えます。
- バックアップは復旧可能性を確保し、レジリエンスを高めます。
- アーカイブは、長期的なアクセシビリティを確保し、コンプライアンスを支援するとともに、eDiscovery を簡素化します。
1 つか 2 つだけに頼ると、重大な抜け穴が生じます。Microsoft 365 を利用する組織にとって、包括的な戦略とは、リテンション、バックアップ、アーカイブの 3 つを統合し、Acronis Cyber Platform のような統合ソリューションを活用して、これらを効率的かつ安全に、そして大規模に管理することです。
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Acronis について
2003年にシンガポールで設立されたスイス企業であるアクロニスは、世界15か所にオフィスを置き、60か国以上に従業員を擁しています。Acronis Cyber Platformは150か国に26言語で提供され、21,000社を超えるサービスプロバイダーに採用され、75万社以上の企業を保護しています。




