2017予測: ブロックチェーン騒ぎは終わった — しかし、早期導入者の未来は明るい

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Acronis Cyber Disaster Recovery

ブロックチェーン熱は冷めつつある      2016年後半、すでに兆候は見え始めていましたが、過去12~18か月の間、世間を賑わせていたブロックチェーンをとりまく熱狂は、2017年には徐々 に冷めていくと思われます。しかし、その原因は人々がブロックチェーンに興味を失ったからではありません。むしろ、その逆です。過去数年間、ブロック チェーンの応用事例は大衆向けに極端に単純化されて伝えられていましたが、実際の事例ははるかに複雑であるという認識が高まっています。 ブロックチェーンに対する初期の熱狂は、詳しい情報の欠如と不十分な知識が引き起こしたものでした。メディアや企業、組織は、ブロックチェーンの可能性を 興奮気味に伝えていました。しかし、掘り下げていくにつれて、この新しいテクノロジに対する彼らの認識が極めて浅薄なものであることが明らかになってきま した。膨れ上がった期待のピークはすでに過ぎ去りました。来年、議論の中心は、ブロックチェーンを実用化できる現実的なプロジェクトやそのような状況に移 ります。 これまで、さまざまなブロックチェーンの応用事例が精力的にテストされてきました。保留になったアイディアや破棄されたアイディアもある一方で、さらに発 展している事例もありました。ブロックチェーンはあらゆることを解決できる魔法の杖ではないという事実が徐々に受け入れられています。 その一例は銀行業務に見られます。一部の銀行がブロックチェーンの利用を検討しているというニュースが流れてきたとき、多くの人は、支払処理に使うのだろ うと推測しました。今になってみれば、銀行業務において、ブロックチェーンが最も得意とするものが支払いや暗号通貨ではないということは明らかで、主に データ保護や記録管理、資産取引などの用途に使用されるものと思われます。 実稼働に向かうブロックチェーンプロジェクト 熱狂を乗り切った開発者や早期導入者は一定数存在し、現在、初のブロックチェーンをベースにしたプロジェクトを実稼動に移そうとしています。これらは設立 間もない新興企業のパイロットプロジェクトではありません。業界のさまざまな主要企業が立ち上げる主力製品です。 最初の実稼動事例はシンプルなものとなりそうですが、シンプルである一方で、極めて実用的でもあります。たとえば、データセキュリティ企業は、データの信 頼性検証用に、ブロックチェーン技術を使ったデータフィンガープリンティングを提供します。また、記録管理にブロックチェーンを使い始めている企業もあり ます。この分野では、ブロックチェーンをベースにした電子署名などのプロジェクトも見られるようになるでしょう。来たる年には、このテクノロジを早期に導 入した人々に導かれて、市場が近い将来、進む方向が示されるものと思われます。 複数団体間のスマートコントラクトや暗号通貨などの魅力的だが、さらに複雑なブロックチェーン機能を使った実装は、前述のシンプルな事例に市場が慣れるま で延期されると思われます。法的な基盤が欠如していること、また早期導入者の数が限られていることも、複雑なブロックチェーン事例の導入を遅らせる原因と なるでしょう。たとえば、ブロックチェーンによる支払いは、多数の銀行がシステムを共有していなければ意味がありません。いまだにわからないことばかりで あるため、諸外国の規制機関の間で、ブロックチェーンテクノロジの法的立場が合意されるまで、銀行は静観を続けるでしょう。たとえば、ブロックチェーンを ベースにした電子署名に公的な効力を与え、裁判所で認められるようにするには、新しい法律が必要です。 2017年、さまざまな業界で、ブロックチェーンをベースにした技術が実用化され、早期導入者は市場をリードするようになり、ブロックチェーンの普及に一 役買うことになると予想されます。

アクロニスについて

アクロニスは2003年にシンガポールで設立されたスイス企業です。アクロニスは、世界15か所のオフィスと50カ国以上で拠点を擁しており、Acronis Cyber Protectソリューションは150カ国に26言語で提供され、2万社を超えるサービスプロバイダーで利用されており75万社を超える企業を保護しています。

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