サービスの差別化: クラウドベースのブロックチェーン公証によるビジネスチャンス

Acronis
Acronis Cyber Protect Cloud
サービスプロバイダー向け

クラウドベースのサービスプロバイダー業界では多くのビジネスチャンスがあり、さまざまは競合他社が新規参入しています。Gartnerはパブリッククラウドサービスの収益が向こう3年間で急上昇すると予測しており、多くの新規参入者が投資を行い、競争は激化しています。

自社のサービスポートフォリオを差別化しようとしているクラウドサービスプロバイダーは、現在と今後の需要に合ったサービスを提供しなければなりません。

なかでも、将来的に最も有望な新しいサービスの1つは、ブロックチェーンによるビジネスデータの公証です。公証とは、Notarization(ノータリゼーション)の日本語訳で、データを公に証明することを指します。この記事では、なぜこの先進のテクノロジーが企業や組織にとって将来的に必ず必要になるのかを説明します。

ブロックチェーンベースの公証の活用事例に精通し、それを自社のサービスや製品にどのように追加していくことができるかによって、将来の自社の競争力に違いが出ます。

ブロックチェーンベースのデータ公証(ノータリゼーション)

ほとんどの人は、「ブロックチェーン」がBitcoinのような仮想通貨のベースとして使われていることは知っていますが、根本的なそのテクノロジーは、仮想通貨そのものとはあまり関係がありません。まずブロックチェーンが何かを理解しましょう。

ブロックチェーンは、ブロックと呼ばれるデータレコードで、ブロックは常に増え続けるリストとして暗号化され、リンクが追加され、保護されます。各ブロックには、タイムスタンプとトランザクションデータを含んだ、以前のブロックが暗号化された「ハッシュ」が含まれています。

強力な暗号化技術を使い、不正なものに対して不透過性のトランザクションが作成され、分散台帳に書き込まれることで、共有の「真実」が確立されます。取引が台帳に記録されると、その後に変更することはできません。Acronis Cyber Notary Cloudのようなブロックチェーンベースの公証サービスは、ユーザーのデータファイルからハッシュを計算し、デジタル「フィンガープリント」を作成し、それをパブリックブロックチェーン台帳に保存します。公証されると、ファイルがいつ存在したのか、台帳に誰が記録したのか、そしてファイルがオリジナルで変更されていないことを簡単に証明できます。これは今日のデジタル主体のビジネスの世界において非常に重要です。

ブロックチェーン: ビジネスにおける利用シーン

データファイルの整合性を検証(ベリファイ)する機能により、契約後のドキュメントの改ざんを不可能にすることを含む、多くの実用的なブロックチェーンアプリケーションが作成されます。ブロックチェーン公証サービスでは、どちらの当事者も契約の条件を分散台帳に入力することができ、この場合は双方の当事者の承認なしには変更できません。

納入日の間違い、約束の破棄、その他のことで契約後に争議が発生した場合、当事者は元の契約が確実に変更されていないことを証明できます。 一方の当事者が、自身の立場を裏付ける契約のバージョンを提示したとしても、それが実際に合意されたものと一致しない場合(ブロックチェーンに記録され変更されていない場合)、それらは公平かつ科学的方法によって示される絶対的な証拠となります。

さらに、公証の他に提供される電子署名はタイムスタンプ付きで台帳に記録されているため、ブロックチェーンベースの電子署名では、誰がいつ署名して合意したのかを決定的な証拠として保持できます。

テクノロジーが進歩し、文書やファイルをデジタルに変更する機能が容易になるにつれ、中小企業のオーナー、保険会社、法律事務所などは、自身の利益を詐欺から守る、簡単で信頼できる方法を提供するソリューションが必要になります。数学的に証明された証拠を提供するブロックチェーンアプリケーションの提供はサービスプロバイダーにとって重要なビジネスとなります。

ブロックチェーン: 知的権利と創造的権利

ブロックチェーンベースの検証の恩恵を受けることができるのは、弁護士だけではありません。音楽、デザイン、イラスト、写真などを瞬時に世界中で共有できるようになった今、自身の生計を想像力豊かな芸術で立てるアーティストの誰もが、自分の作品を保護する方法を見つけなければなりません。

ブロックチェーンベースの公証サービスは、個々の作家、独立系音楽レーベル、ゲーム開発者や主要な映画スタジオなどに著作権侵害訴訟で闘うために必要となる決定的な証拠を提供します。

知的権利や創造的権利を保護するために、クリエイティブなブロックチェーンアプリケーションを最初に提供することで、サービスプロバイダーは新しい市場と将来を見越したビジネスチャンスを得ることができます。

ブロックチェーン: サイバーセキュリティにおける利用シーン

今日のビジネス環境では、企業は自社のコンピューターインフラとデータに信頼と自信がなければなりません。過去、あなたのアーカイブとファイルが本物で変更されていないと仮定することは比較的安全なことでしたが、オンラインの脅威が進化していく中で、現在それは深刻なリスクになります。

ランサムウェアはあなたのシステムに感染し、身代金(ランサム)の支払いが完了されるまでデータへのアクセスをブロックするものですが、何人かの専門家はデータ改ざん攻撃と呼ばれる、新しいカテゴリーのランサムウェアに関する警告をしています。これらはデータアクセスをブロックするのではなく、組織に警告を発して支払いを要求する前にこれらのランサムウェアが不正アクセスしてデータの内容を変更します。

大規模なアーカイブで、そのような変更を見つけることはほとんど不可能なため、企業は安全面における壊滅的な問題、風評被害、高額な規制違反を避けるために身代金を支払うかもしれません。

サイバー攻撃に対する防御を分散することに加えて、企業はブロックチェーンによって重要なアーカイブの真正性(本物であり改ざんされていないこと)を証明することによって、自身を保護することもできます。このような戦略下では、誰かがデータを改ざんすることは不可能となり、その整合性が保証されます。

すでにバックアップ、ディザスタリカバリ、クラウドストレージサービスを提供しているクラウドサービスプロバイダーにとって、ブロックチェーンによってファイルを証明する機能を追加することで、貴重なデータセキュリティを顧客に提供しながら、大きなビジネスチャンスとなるアップセルの機会を得ることができます。

結論

実用的なブロックチェーンアプリケーションが、ビジネスの運営方法に革命を起こし始めているということは疑う余地がありません。これらは明らかに、クラウドサービス市場の継続的な成長に不可欠なものとなるでしょう。ブロックチェーンを早期に採用することで明確なビジネスメリットが得られ、アーリーアダプターは競争に勝つことができます。

使いやすく実装しやすいソリューションに関心のあるクラウドサービスプロバイダーには、ファイル公証、電子署名、データの真正性をベリファイをするブロックチェーンベースのサービス Acronis Cyber Notary Cloudの検討をおすすめします。Acronis Cyber Cloud プラットフォームの一部であり、サービスプロバイダー向けに設計されているため、規制順守における透明性を確保してセキュリティリスクを軽減でき、どのような規模の企業でも重要なデータの整合性を保証することができます。

アクロニスについて

アクロニスは2003年にシンガポールで設立されたスイス企業です。アクロニスは、世界15か所のオフィスと50カ国以上で拠点を擁しており、Acronis Cyber Protectソリューションは150カ国に26言語で提供され、2万社を超えるサービスプロバイダーで利用されており75万社を超える企業を保護しています。

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