障害復旧サービス — 2017年のトレンド

障害復旧サービス(DRaaS: Disaster Recovery as a Service)市場は、障害復旧(DR: Disaster Recovery)をデータ保護およびバックアップと組み合わせた複合ソリューションを求める中小企業に後押しされて、発展を続けています。このような複 合サービスを提供できる中間市場ベンダーは、2017年、市場シェアを拡大できる可能性があります。

データ整合性の保証
この市場では、データ整合性の保証に大きな重点が置かれます。企業は、データに誤りがなく、正確で、破損していないことの保証を望んでいます。この需要と 期待に応えるため、DRベンダーは、アクティブ保護および保証を実現するテクノロジに、サイバー攻撃対策として自動データ修復機能をつけて提供するでしょ う。

データ保護は、問題が発生してから対処する事後対策モードではなく、事前対策モードに移行しつつあります。アクティブデータ保護テクノロジは、これまでに 遭遇したことのない脅威にも十分に対処できる性能を持ち、異常な振る舞いを阻止し、ダメージを受けたデータを自動的に復元します。また、データの信頼性検 証に対するニーズもあります。企業は、復元されたデータが変更されていないことを検証できる再保証メカニズムを求めるでしょう。

アプリケーションの復元力
DRaaSソリューションの多くは、主にインフラストラクチャの復元に重点を置いていますが、インフラストラクチャのRTOが短くても、実行するように設 計されたアプリケーションの復元に長い時間がかかったら、あまり役に立ちません。業務に必要な機能を迅速に回復できるようにするため、DRサービスの一部 として、アプリケーションの復元機能を提供するソリューションを求める企業は増加の一途をたどっています。

従来のDR設定では、インフラストラクチャのフェールオーバー後、手作業によるアプリケーションの立ち上げが必要になる場合があります。給与システムや会 計、CRMなどのアプリケーションでは、特にデータが複数のサーバーに分散している場合に、手作業による介入が必要になることがよくあります。将来の DRaaSは、インフラストラクチャとアプリケーションの復元の両方に対応し、企業の期待へ効率的に応えるものになるでしょう。

マルチクラウドオーケストレーション管理
市場には多数のIaaS(Infrastructure-as-a-Service)クラウドソリューションが出回っていますが、障害復旧ベンダーがマル チクラウドオーケストレーションマネージャの役割を果たしていることがよくあります。企業は、DRプロバイダには、AzureやAWSのようなコモディ ティクラウドサービスをバックエンドで活用することを期待し、アプリケーションには、ある環境から別の環境へ簡単に移行できる移植性を求めるでしょう。

SMB企業の多くは、ローカルデータストレージとクラウドデータストレージにコンピューティング能力を組み合わせた、ハイブリッドクラウドインフラストラ クチャを備えています。こういった企業は、あるサーバーからデータを取得して、ローカルまたはクラウドにある別のサーバーに格納する機能を持つDRソ リューションを求めるでしょう。今日はローカルのデータセンターにデータを保存しておきたいと思っていても、明日、クラウドに移動する必要が生じるかもし れません。DRベンダーは、このようなデータの移植性をサポートする機能をリリースし続けるでしょう。

変更の自動管理
本番環境を踏まえて、DRの設定を最新の状態に保つことは、現在、企業が直面している課題の1つです。企業が本番環境に新しいサーバーを追加する場合、通 常、DRでも同様の処理を行い、新しいサーバーと設定が確実に複製されるようにします。現実の場面では、これによりさまざまな問題が明るみに出ることがよ くありますが、結果的には見過ごされます。

DRベンダーは、このプロセスを自動化するために、ネットワークに対応した新しい変更管理ソリューションの開発に取り組んでいます。機械学習と人工知能を ベースにした、この新しいテクノロジにより、DRソリューションは環境を意識するようになり、インフラストラクチャの変化を自動的に察知し、DR環境に組 み入れます。

クラウドやデータ保護空間における発展により、来年もDRaaS市場の再形成が続くでしょう。別の場所でデータを復元できるだけでは、もはや十分ではあり ません。カスタマはデータに移植性があり、検証可能で、あらゆる種類のサイバー攻撃から保護されていることを期待するようになるでしょう。