ブロックチェーン技術の使用
Acronis Cyber Protect Home Office は、ブロックチェーン技術を使用してバックアップファイルをトップレベルのセキュリティで保護します。この技術により、ファイルが不正ソフトウェアによって変更されていないこと、および復元時に正しいバックアップファイルからデータを復元できることが保証されます。
ブロックチェーンとは
ブロックチェーンは、トランザクションとそのシーケンスに関する情報を格納するデータベースです。一般に、トランザクションは財務処理や各種資産の処理などに関するイベントを意味します。トランザクションはブロックにまとめられ、ブロックがデータベースに1つずつ書き込まれ、ブロックチェーンを形成します。すべてのトランザクションとすべてのブロックに一意の識別番号が割り振られています。どのブロックにもチェーンの以前のブロックすべての情報が格納されていることが重要です。データベースに書き込まれたトランザクション情報は、誰もいかなる手段でも変更できません。同じくトランザクションシーケンスも変更できません。データベース内の情報を変更しようとしても、任意のデータベースユーザーによって簡単に見破られます。これは、正しくないトランザクションやブロックに関する情報がそれ以降のどのブロックにも存在しないためです。このテクノロジにより、データベースに格納されているデータが正当で、特定の人物に属しており、誰にも変更されていないことが保証されます。ブロックチェーンの詳細については、https://en.wikipedia.org/wiki/Blockchain_(database)を参照してください。
Acronis Cyber Protect Home Office でのブロックチェーン技術の使用方法
不正な変更からファイルを保護するため、Acronis Cyber Protect Home Office は Acronis 認証テクノロジを使用します。これは、任意のデータオブジェクトおよびデータストリームにタイムスタンプとフィンガープリントを付けるための汎用ソリューションです。大量のデータをブロックチェーンデータベースに格納できないため、Acronis Cyber Protect Home Office はファイルのハッシュコードだけを Acronis 認証サービスに送ります。
ハッシュコードは、ハッシュ関数によって生成される固定サイズの一意の番号です。このコードは、バックアップファイルなどの任意のデータセットを数学的に定義します。バックアップファイルを変更すると、そのハッシュコードも変更されます。したがって、ファイルが変更されているかどうかを確認する場合、最初に生成されたハッシュコードとファイルの現在の状態を比較するだけで済みます。コードが一致した場合、ファイルが誰にも変更されていないことが保証されます。
Acronis 認証は、ファイルのハッシュコードを受け取ると、新しい 1 つのハッシュコードを計算し、ブロックチェーンベースの Ethereum データベースにそのハッシュコードを送ります。イーサリアムの詳細については、https://www.ethereum.org/を参照してください。
ハッシュコードがデータベースに送られると、そのハッシュコードを計算するために使用したファイルが、Acronis 認証によって認証されます。「ファイルの真正性の検証」で説明されている手順に従うと、ファイルの真正性をいつでも簡単に検証できます。すべての認証されたファイルには、認証証明書があります。認証証明書は、ファイルがブロックチェーン技術によって保護されていることの文書による証明です。証明書には、ファイルに関する一般的な情報と、ファイルの真正性を手動で検証するために利用できる技術的な詳細が含まれています。詳細については、「ファイルの真正性の手動検証」を参照してください。