保持ルール

次に、アーカイブ内部におけるバックアップ管理の保持ルールを定義する必要があります。このオプションを選択できるかどうかは、前の手順で行ったスケジュールの設定(「バックアップの実行時期」セクション)と選択したアーカイブ フォーマット(「バックアップの種類」セクション)によって決定されます。たとえば、スケジュールされていないバックアップ タスクの場合は、Grandfather-Father-Son(GFS)クリーンアップ スキームが使用できません。[毎: <...>] の設定を使用して完全なバックアップを作成するオプションは、[すべてのバックアップに 1 つのファイル] オプションで使用できません(Always Incremental アーカイブ フォーマットでは、完全バックアップを行う意味がないため)。次に、各保持ルールについて説明します。

1. [未指定]

保持ルールが指定されていない場合、プログラムされたバックアップ管理は実行されません。つまり、すべてのバックアップがアーカイブ内に無制限に保存されます。


バックアップ作成ウィザード、手順 4: バックアップ方法、保持ルール [未指定]

2. [シンプル クリーンアップ] スキーム

[シンプル クリーンアップ] スキームを選択すると、アーカイブ内に一定数のバックアップを保存したり、一定期間だけバックアップを保存したりすることができます。


バックアップ作成ウィザード、手順 4: バックアップ方法、[シンプル クリーンアップ] スキーム、保持期間を過ぎたバックアップの削除

2 番目のオプションでは、バックアップ数が <…> 個を超えた場合にアーカイブをクリーンアップできます。この数値を「1」に設定すると、Always Incremental アーカイブ モードの場合は統合的な完全バックアップが作成されます。つまり、増分バックアップでは、バックアップの完了後に古くなった復元ポイントの内容が削除されます。アーカイブの保持数が 1 よりも大きい場合、クリーンアップは Always Incremental アーカイブ モードに従って実行されます(詳細については、この『ユーザー マニュアル』の単一ファイルのバックアップ スキーム(Always Incremental モード) をご参照ください)。

3. [GFS クリーンアップ] スキーム

これは、一定の数だけ日単位、週単位、および月単位のバックアップを保存できる、一般的な「Grandfather-Father-Son」スキームです。保持する必要があるバックアップの数を日単位、週単位、月単位で指定します。1 日の間に作成されたすべてのバックアップは「日単位」のバックアップとみなされ、データが保存期限切れになるとすべて削除されます。同じルールが「週単位」のバックアップにも適用されます。


バックアップ作成ウィザード、手順 4: バックアップ方法、[GFS クリーンアップ] スキーム

保持ルールは、バックアップ タスクの実行前に限って適用されることに注意してください。これは、Always Incremental アーカイブではディスク領域が解放されないため、バックアップ後に復元ポイントを削除する必要がないためです。バックアップの実行後、設定された保持ルールに従って削除する必要がある復元ポイントが新たに多く発生した場合も、これらは次のバックアップの実行前になって初めて削除されます。たとえば、[次の場合にバックアップとアーカイブを削除します] を選択し、[バックアップが次より古い] が 3 または[アーカイブ内のバックアップの数が次の数を超える] が 3 などの保持ルールを設定した場合、実際には 3 個ではなく最大 4 個のバックアップがアーカイブに保存されることになります。

指定した保持ルールに従ってバックアップが削除の対象になっても、必ずアーカイブ内に少なくとも 1 つのバックアップがそのまま残されます。これにより、復元に使用可能なバックアップが少なくとも 1 つ、アーカイブ内に常に存在することになります。これは、[残っている最後のバックアップを削除しない] チェックボックスをオフにするまで有効です(デフォルトではオン)。このチェックボックスでは、残っている有効な復元ポイントが 1 つだけになり、その復元ポイントが削除対象になった場合のプログラムの動作を定義できます。これは、バックアップ タスクを仮想コンピュータのグループに適用しており、適用したコンピュータの 1 つが ESX ホストから削除されると、そのコンピュータがバックアップできなくなる場合などに当てはまります。任意の時点で(指定した保持ルールに従い)、削除された VM のすべてのバックアップが削除対象になります。したがって、[残っている最後のバックアップを削除しない] チェック ボックスの設定により、残っている最後のバックアップが削除されるのを防止したり、強制的に削除したりできます。