ハノイの塔テープ ローテーション スキームの使用

ToH スキームでローテーションに必要なテープ数は、GFS スキームと比較して少なくなります。したがって、ToH スキームは小規模なテープ ライブラリ、特にオートローダーで最適な選択肢です。

ToH スキームを選択すると、スキームのスケジュールとレベル数を指定できます。

ハノイの塔を週単位のバックアップに適用するときは 5 レベル、日単位のバックアップに適用するときは 8 レベルにすることをお勧めします。最初の状況では、ローテーションは 16 回の週単位のセッションから構成されるので、ロールバック期間(アーカイブ中で遡ることのできる最少日数)は 8 週間になります。2 番目の状況では、テープ ローテーションは 128 回の日単位のセッションで構成され、ロールバック期間は 64 日になります。ロールバック期間は常にセッション数の半分です。

レベルを追加するごとに、セッション数が倍になるだけでなく、最も古いバックアップ期間も倍になります。

分析事例」で説明した事例に戻り、次の ToH 設定を想定します。

5 レベルのハノイの塔スキームを使用すると、ロールバック期間は 8 日になります。ここでは、レベル 1 ~ 5 のバックアップをそれぞれ文字 A、B、C、D、E で示します。アーカイブ内のバックアップ順序のローテーション テンプレートは E-A-B-A-C-A-B-A-D-A-B-A-C-A-B-A となります。5 レベルの ToH スキームでは、最初のレベル(A)のバックアップはすべて増分バックアップ、5 番目のレベル(E)は完全バックアップです。また、その他の 2 ~ 4 番目のレベル(B、C、D)のバックアップは差分バックアップです。

ToH スキームのテープ ローテーションはテープ オプションに大きく左右されますが、テープ オプションのデフォルト設定では、必ずしもテープおよびテープ ライブラリ全体の使用が最適化されません。

目的は、ローテーションのテープ数を最小にするために必要なテープ オプションの選択です。

以下のセクションでは、ToH スキームとさまざまなテープ オプションとの組み合わせを示す分析例を紹介します。

ToH 例 2 には 4 本のテープが必要で、これはこの事例で最小です。したがって、このテープ オプション設定は他の例のオプションと比較して最適な選択肢です。