バックアップできるデータ アイテムと使用するバックアップの種類
バックアップ計画の作成中に、データの種類として、Microsoft Exchange インフォメーション ストアまたは Microsoft Exchange メールボックスを選択することができます。
Microsoft Exchange インフォメーション ストア
このデータの種類を選択した場合、データベース バックアップが実行されます。
バックアップ対象として次のアイテムを選択できます。
- インフォメーション ストア全体
- 個々のデータベース(Exchange 2010/2013 の場合)
- 個々のストレージ グループ(Exchange 2003/2007 の場合)
マウント解除されたデータベースは、バックアップ中はスキップされます。バックアップ タスクによって少なくとも 1 つのデータベースがバックアップされたが、その他のデータベースがマウント解除されていたためにスキップされた場合、そのバックアップ タスクの結果は、「警告を伴う正常終了」になります。バックアップ タスクは完了したが、すべてのデータベースがマウント解除されていたために、すべてのデータベースがスキップされた場合、そのタスクの結果は「失敗」になります。
データベース バックアップ中、エージェント for Exchange は、データベース ファイルの一貫性チェックを自動的に実行します。バックアップされているデータベースのページ レベルの整合性をベリファイし、すべてのデータベース ページとログ ファイルのチェックサムをベリファイします。チェックサムの不一致またはファイル ヘッダーの破損があるデータベースは、バックアップ時にスキップされます。
データベース バックアップの種類
- 完全:標準的な完全バックアップでは、選択したストレージ グループまたはデータベースと共に、トランザクション ログ ファイルと、アクティブ ディレクトリからの Exchange 関連情報が保存されます。完全バックアップが作成された後、トランザクション ログ ファイルは切り捨てられます。完全バックアップは自己充足的です。つまり、完全バックアップからデータを復元する場合、他のバックアップにアクセスする必要はありません。データベース バックアップは、失われた、または破損したデータベース、ストレージ グループ、またはインフォメーション ストア全体を復元することが必要な災害復旧シナリオの基盤となるものです。データベース バックアップからの詳細復元では、メールボックス、パブリック フォルダ、 電子メール、連絡先、予定表のイベント、履歴項目、メモなどを復元することができます。
さらに、次のいずれかのメソッドを使用して完全バックアップを作成することができます。
- 高速完全バックアップこのメソッドでは、非重複化された格納域に完全データベース バックアップを作成することができます。通常のデータの重複除外を完全データベース バックアップに使用することはできますが、最大の重複除外効果を発揮するために、高速完全バックアップ メソッドを使用することをお勧めします。
- コピー バックアップこのメソッドでは、トランザクション ログ ファイルを切り捨てることなく完全データベース バックアップを作成できます。
- トランザクション ログ:トランザクション ログ バックアップには、トランザクション ログ ファイルに加え、チェックポイント ファイルおよび復元に必要なその他のファイルも保存されます。バックアップが作成された後、トランザクション ログ ファイルは切り捨てられます。最初に、標準完全バックアップが作成されます。完全バックアップとトランザクション ログ バックアップがあることによって、データをカスタム リカバリ ポイントに復元できます。復元の観点からは、トランザクション ログ バックアップは増分バックアップと同じです。トランザクション ログ バックアップから復元するには、最後の完全バックアップ後に作成された各トランザクション ログ バックアップと、完全バックアップが必要です。トランザクション ログ ファイルのチェーンが長い場合、復元に時間がかかる可能性があります。
注意: トランザクション ログ ファイルをバックアップするには、Exchange の循環ログ方式を無効にしてください。循環ログ方式が有効になっていると、データがデータベースに書き込まれた後に最初のログファイルが Exchange によって上書きされます。その結果、トランザクション ログ チェーンが破壊され、Acronis Backup & Recovery 11.5 でトランザクション ログ バックアップを実行できなくなります。バックアップ計画の作成後に循環ログ方式を有効にすると、バックアップは失敗します。
Microsoft Exchange メールボックス
このデータの種類を選択した場合、メールボックス バックアップが実行されます。
バックアップ対象として次のアイテムを選択できます。
- メールボックスまたはメールボックス フォルダ
- パブリック フォルダ
除外フィルタを使用することによって、メールボックス バックアップ中にスキップするアイテムを指定できます。
メールボックス バックアップの使用方法
メールボックス バックアップでは、データベース全体をバックアップするのではなく、個々のメールボックスまたはパブリック フォルダを自由にバックアップすることも可能です。最も重要なメールボックスを保護したり、15 GB 未満のデータをバックアップしたりする場合は、メールボックス バックアップを使用することをお勧めします。大量データの場合は、データベース バックアップの方が効率的です。このバックアップにかかる時間は短く、データベース全体だけでなく、個々のメールボックス、電子メールや他のデータ アイテムも復元することができます。
メールボックス バックアップの制限
- アーカイブされたメールボックスを選択することはできますが、バックアップはされません。
- 完全データベース バックアップとは異なり、メールボックス バックアップは重複除外できません。
メールボックス バックアップの種類
- 完全バックアップ: メールボックスレベルの完全バックアップには、バックアップ対象として選択したメールボックスまたはパブリック フォルダのコンテンツおよびフォルダ構造が保存されます。
- 増分バックアップ: 増分メールボックス バックアップには、最後のバックアップ以降の、データに対する変更内容が保存されます。最初に、メールボックスの完全バックアップが作成されます。増分バックアップからデータを復元するには、同じアーカイブから、他のバックアップにアクセスする必要があります。