ここでは、プログラムの動作のしくみを理解するうえで役立つと思われる、基本的な概念について説明します。
バックアップと復元
バックアップとは、元のデータが失われてもそのコピーから復元できるように、データのコピーを作成しておくことです。
バックアップの主な目的は 2 つあります。
Acronis True Image 2015 は、この最初の目的を達成するために、ディスク(またはパーティション)イメージの作成機能を備え、第 2 の目的のために、ファイル レベル バックアップ作成機能を備えています。
バックアップ バージョン
バックアップ バージョンは、それぞれのバックアップ処理中に作成された単独または複数のファイルです。作成されるバージョンの数は、バックアップが実行された回数と常に同じになります。つまり、バージョンはそれぞれ特定の時点を表しており、その時点の状態にシステムやデータを復元することができます。
バックアップ バージョンは、完全バックアップ、増分バックアップ、および差分バックアップを表しています。「完全バックアップ、増分バックアップ、差分バックアップ」を参照してください。
バックアップ バージョンは、ファイル バージョンと似ています。ファイル バージョンという考えは、「以前のバージョンのファイル」と呼ばれている Windows Vista や Windows 7 の機能を使用しているユーザーにはよく知られています。この機能を使用すると、ファイルを特定の日時における状態に復元できます。バックアップ バージョンを使用すると、同様の方法でデータを復元できます。
ディスクのクローン作成
これは、1 つのディスク ドライブの内容全体を別のディスク ドライブにコピーする処理です。たとえば、オペレーティング システム、アプリケーション、およびデータのクローンを、より容量の多い新しいディスクに作成する場合などに、この機能が必要となる場合があります。このことは 2 つの方法で実行できます。
バックアップ ファイルの形式
Acronis True Imageでは通常、バックアップデータが独自のTIB形式に圧縮して保存されます。.tibファイルのバックアップのデータは、Windows環境または復元環境でAcronis True Imageを使用した場合にのみ復元できます。
Acronis ノンストップ バックアップでは、データおよびメタデータ用に特殊な隠しストレージが使用されています。バックアップ データは圧縮され、約 1 GB の複数のファイルに分割されます。また、これらのファイルには独自の形式が採用されており、ファイルに格納されているデータを復元するにはAcronis True Imageを使用する必要があります。
バックアップのベリファイ
バックアップのベリファイ機能を使用すれば、データを復元できるかどうかを確認できます。バックアップされるデータにはチェックサム値が追加されます。バックアップベリファイの実行時に、Acronis True Imageはバックアップファイルを開いてチェックサム値を再計算し、保存されているチェックサム値と比較します。比較した値がすべて一致していれば、そのバックアップ ファイルは破損していません。詳細については、「バックアップのベリファイ」を参照してください。
スケジュール設定
作成したバックアップを実際に役立てるには、可能な限り「最新」のバックアップを作成しておく必要があります。バックアップを自動的かつ定期的に実行するには、バックアップのスケジュールを作成します。詳細については、「スケジュール設定」を参照してください。
バックアップの削除
不要になったバックアップとバックアップ バージョンを削除する場合は、Acronis True Image 2015 に用意されているツールを使用して削除してください。バックアップスキームをカスタマイズする際に、自動クリーンアップルールを設定することをお勧めします。
Acronis True Image 2015 は、バックアップに関する情報をメタデータ情報データベースに保存します。したがって、不要なバックアップ ファイルを Windows エクスプローラで削除しても、それらのバックアップに関する情報はデータベースからは削除されません。その結果、既に存在していないバックアップに対してもプログラムが処理を実行しようとして、エラーが発生します。
詳細については、「バックアップとバックアップバージョンの削除」を参照してください。