Acronis 管理テンプレートを使用して設定できる Acronis Backup ストレージ ノードのパラメータを次に示します。管理テンプレートの適用方法については、「Acronis 管理テンプレートのロード方法」を参照してください。
圧縮に関連したパラメータ
非重複化された格納域からバックアップが削除されると、重複除外データ ストアにはどのバックアップからも参照されなくなった未使用のデータ ブロック(データ項目)が含まれていることがあります。ストレージ ノードは、データ ストアを処理して未使用の項目を削除します。この操作は圧縮と呼ばれます。圧縮は圧縮タスクによって実行されます。
圧縮タスクが開始するたびに、ストレージ ノードによって圧縮を実行するかどうかが決定されます。これを実行するために、ストレージ ノードは次の処理を実行します。
パラメータは以下のとおりです。
[圧縮トリガの概算しきい値]
説明: 非重複化された格納域に残っているバックアップ データの相対サイズを指定します。この値を下回ると、未使用項目の確認が実行されます(「[圧縮トリガのしきい値]」を参照)。
指定できる値: 0~100 の任意の整数
デフォルト値: 90
[圧縮トリガの概算しきい値] パラメータを指定すると、格納域の内容に大きな変化がない場合は、未使用項目の確認をスキップできるため、圧縮処理もスキップできます。
このパラメータ値を大きくすると、未使用項目の確認はより頻繁に実行されます。パラメータ値に 100 を指定すると、圧縮タスクが開始されるたびに未使用項目の確認が実行されます。
動作: パラメータ値が 90 で、格納域には 100 GB のバックアップ データが含まれていると仮定します。データが重複しているかどうかは関係ありません。バックアップ データをいくつか削除すると、バックアップ データのサイズは 80 GB になりました。この場合は、次のように考えられます。
削除されたデータのサイズは 20 GB で、残りのデータのサイズは 80 GB です。削除されたデータと残りのデータのサイズの比率は、20 GB ÷ 80 GB = 0.25、つまり、25% になります。
ストレージ ノードは、残りのデータの相対サイズを計算して、100% - 25% = 75% であることがわかります。
この相対サイズは 90% より小さいため、ストレージ ノードは未使用項目の確認を開始します。
[圧縮トリガのしきい値]
説明: 重複除外データ ストア内の使用項目のパーセント値を指定します。この値未満になると、圧縮が実行されます。
指定できる値: 0~100 の任意の整数
デフォルト値: 90
圧縮はリソースが消費される操作なので、未使用の項目数が大量にある場合にだけ圧縮が実行されるようにする必要があります。
[圧縮トリガのしきい値] パラメータでは、未使用の項目の保存に必要な追加の領域と圧縮の頻度のバランスが保たれるように設定することができます。このパラメータの値を大きくすると、データ ストアに保存できる未使用の項目の量は減り、圧縮はより頻繁に行われるようになります。
この確認処理は、格納域に残っているバックアップ データの割合を確認した後でのみ実行されます(「[圧縮トリガの概算しきい値]」を参照)。
その他のパラメータ
[ログのクリーンアップ ルール]
ストレージ ノード ログをクリーンアップする方法を指定します。
このパラメータには、次の設定があります。
[最大サイズ]
説明: ストレージ ノード ログ フォルダの最大サイズ(KB 単位)を指定します。
指定できる値: 0~2147483647 の任意の整数
デフォルト値: 1,048,576(つまり、1 GB)
[維持するパーセント値]
説明: クリーンアップ時に維持する最大ログ サイズのパーセント値を指定します。
指定できる値: 0~100 の任意の整数
デフォルト値: 95
[クライアント 接続数の 限度]
説明: バックアップ、復元、またはアーカイブの操作(ベリファイ、レプリケーション、またはクリーンアップなど)を実行するエージェントがストレージ ノードに同時接続できる最大数を指定します。
指定できる値: 1~2147483647 の任意の整数
デフォルト値: 10
Acronis Backup エージェントは、バックアップ、復元、またはアーカイブ操作を実行する際にストレージ ノードに接続して、管理対象の格納域にアクセスします。[クライアント 接続数の 限度] パラメータでは、ストレージ ノードが同時に処理できるこのような接続の最大数を設定します。
この制限値に到達すると、ストレージ ノードは接続を待機しているエージェントのバックアップ キューを使用します(次のパラメータを参照)。
[高速操作接続の限度] パラメータもご参照ください。
[バックアップ キューの 限度]
説明: ストレージ ノードのバックアップ キューに入れるエージェントの最大数を指定します。
指定できる値: 1~2147483647 の任意の整数
デフォルト値: 50
バックアップ キューは、バックアップ、復元またはアーカイブ操作(前述のパラメータをご参照ください)されるためにストレージ ノードへの接続を待っているエージェントの一覧です(前のパラメータをご参照ください)。この一覧には、現在これら目的のためにストレージ ノードと接続されているエージェントも含まれます。
バックアップ キューのエージェント数が [バックアップ キューの 限度] の値と等しいとき、エージェントがこうした接続を確立しようとすると、ストレージ ノードはキューにそのエージェントを入れません。
この場合、エージェントはストレージ ノードに接続できません。対応するタスクは [エラー] の状態で中止されます。
[高速操作キューの限度] パラメータもご参照ください。
[高速操作接続の限度]
説明: バックアップ、復元、またはアーカイブの操作以外の目的でストレージ ノードに同時接続できる最大数を指定します。
指定できる値: 1~2147483647 の任意の整数
デフォルト値: 20
Acronis Backup のコンポーネントは、格納域のコンテンツを参照したり、その他の高速操作を実行したりする際にストレージ ノードに接続します。[高速操作 接続数の 限度] パラメータでは、ストレージ ノードが同時に処理できるこのような接続の最大数を設定します。
この制限値に到達すると、ストレージ ノードは接続を待機しているコンポーネントに高速操作キューと呼ばれるキューを使用します(次のパラメータをご参照ください)。
[クライアント接続数の限度] パラメータもご参照ください。
[高速操作キューの限度]
説明: 高速操作キューに入れる Acronis Backup コンポーネントの最大数を指定します(前述のパラメータをご参照ください)。
指定できる値: 1~2147483647 の任意の整数
デフォルト値: 100
高速操作キューは、格納域のコンテンツの参照といった高速操作による接続を待つコンポーネントの一覧です。
このキューのコンポーネントの数が [高速操作キューの限度] の値と等しくなった場合、別のコンポーネントが接続を確立しようとすると、ストレージ ノードはキューにそのコンポーネントを入れません。この場合、対応する操作は失敗します。
[バックアップ キューの限度] パラメータもご参照ください。
[格納域メタデータ データベースのパス]
説明: 格納域データベースが格納されているフォルダのパスを指定します。格納域データベースはメタデータ データベースとも呼ばれます。
指定できる値: 0~32,765 文字の任意の文字列
デフォルト値: 文字列の指定なし
空の文字列は、フォルダが %ALLUSERSPROFILE%\Application Data\Acronis\BackupAndRecovery\ASN\VaultMetadataDatabases(Windows XP および Server 2003 の場合)または %PROGRAMDATA%\Acronis\BackupAndRecovery\ASN\VaultMetadataDatabases(Windows Vista およびそれ以降のバージョンの Windows の場合)であることを意味します。
格納域データベースには、格納域内にあるアーカイブおよびバックアップの情報が格納されています。格納域を作成または接続すると、ストレージ ノードは格納域データベースをこのパラメータによって決定されたフォルダへ配置します。
このパラメータを変更しても、既存の格納域データベースに影響はありません。これらのデータベースを新しいフォルダに移動する場合は、対応する格納域を接続解除してから、同じストレージ ノードに接続します。
重複除外データベースのパス
説明: 重複除外データベースが格納されるパスを指定します。
指定できる値: 0~32,765 文字の任意の文字列
デフォルト値: 文字列の指定なし
文字列が指定されていないと、パスを手動で入力する必要があります。
重複除外データベースには、格納域に保存されているすべてのデータ項目のハッシュ値が含まれます。ただし、重複除外できないデータ項目は除きます。非重複化された格納域を作成すると、ストレージ ノードはその格納域の重複除外データベースをこのパラメータによって決定されたフォルダへ配置します。より良いパフォーマンスのためには、バックアップの保存に使用されるディスク ドライブ以外のディスク ドライブにデータベースを配置してください。
このパラメータを変更しても、既存の重複除外データベースに影響はありません。
[サーバー側のハッシュ値の確認]
説明: 非重複化された格納域に送られるデータ ブロックのハッシュ値を確認するかどうかを指定します。
設定可能な値: 有効または無効
デフォルト値: 無効
非重複化された格納域にデータ ブロックを送信すると、エージェントもブロックのフィンガープリント(ハッシュ値)を送信します。
[サーバー側のハッシュ値の確認] パラメータによって、ストレージ ノードがハッシュ値とデータ ブロックを一致させる必要があるかどうかが決まります。こうした確認によって、ストレージ ノードにはさらなる負荷がかかります。
通常は、こうした確認は必要ありません。このパラメータを [有効] に設定することで、重複除外の処理の安全性をさらに高めることができます。
確認によってデータ ブロックとハッシュ値が一致しないことが判明すると、バックアップ処理は失敗します。
Vault Warnings and Limits
警告またはエラーがログに記録される、格納域内の空き領域のサイズ(絶対値とパーセント値の両方)を指定します。
このパラメータには、次の設定があります。
[格納域の 空き 領域における 警告の 限度]
説明: 管理対象の格納域の空き領域のサイズを MB 単位で指定します。この値未満になると、ストレージ ノードのログに警告が記録されます。
指定できる値: 0~2147483647 の任意の整数
デフォルト値: 200
格納域の空き領域は、格納域が保存されているディスク ボリュームなどのメディアの空き領域のサイズです。
格納域の空き領域のサイズが [格納域の 空き 領域における 警告の 限度] の値以下になると、問題が発生している格納域を示す警告がストレージ ノードのログに記録されます。ストレージ ノードの警告は、ダッシュボードに表示されます。
[格納域の 空き 領域における 警告の パーセント値]
説明: 管理対象の格納域の空き領域のサイズを合計サイズのパーセント値で指定します。この値未満になるとストレージ ノードのログに警告が記録されます。
指定できる値: 0~100 の任意の整数
デフォルト値: 10
格納域の合計サイズは、格納域の空き領域と格納域に含まれるすべてのアーカイブのサイズの合計です。
たとえば、2 つの格納域(格納域 A と格納域 B)の両方がディスク ボリュームに保存されているとします。さらに、格納域 A 内のアーカイブのサイズが 20 GB で、格納域 B 内のアーカイブのサイズが 45 GB であると仮定します。
このボリュームの空き領域が 5 GB の場合は、ボリュームのサイズに関係なく、格納域 A の合計サイズは 20 GB + 5 GB = 25 GB で、格納域 B の合計サイズは 45 GB + 5 GB = 50 GB になります。
格納域の空き領域のパーセント値は、格納域の空き領域を格納域の合計サイズで除算したものです。前の例では、格納域 A の空き領域は 5 GB ÷ 25 GB = 20% で、格納域 B の空き領域は 5 GB ÷ 50 GB = 10% になります。
格納域の空き領域のサイズが [格納域の 空き 領域における 警告の パーセント値] の値以下になると、問題が発生している格納域を示す警告がストレージ ノードのログに記録されます。ストレージ ノードの警告は、ダッシュボードに表示されます。
注意:[格納域の 空き 領域における 警告の 限度] パラメータと [格納域の 空き 領域における 警告 のパーセント値] パラメータは、互いに独立しています。いずれかのしきい値に到達するたびに警告が記録されます。
[格納域の 空き 領域 におけるエラーの 限度]
説明: 管理対象の格納域の空き領域のサイズを MB 単位で指定します。この値未満になると、ストレージ ノードのログにエラーが記録され、格納域へのすべてのバックアップが禁止されます。
指定できる値: 0~2147483647 の任意の整数
デフォルト値: 50
格納域の空き領域のサイズが [格納域の 空き 領域 におけるエラーの 限度] の値以下になると、ストレージ ノードのログにエラーが記録されます。格納域に対して実行されるバックアップは、格納域の空き領域が制限値より大きくなるまで失敗します。
[格納域 データベースの 空き 領域における 警告の 限度]
説明: 管理対象の格納域のデータベースを含むボリュームの空き領域のサイズを MB 単位で指定します。この値未満になると、ストレージ ノードのログに警告が記録されます。
指定できる値: 0~2147483647 の任意の整数
デフォルト値: 20
管理対象の格納域のデータベースを含むボリュームの空き領域のサイズが [格納域 データベースの 空き 領域における 警告の 限度 ] の値以下になると、問題が発生している格納域を示す警告がストレージ ノードのログに記録されます。ストレージ ノードの警告は、ダッシュボードに表示されます。
データベースは、[格納域メタデータ データベースのパス] パラメータで名前を指定したローカル フォルダのストレージ ノード内に保存されます。
[格納域 データベースの 空き 領域におけるエラーの 限度]
説明: 管理対象の格納域のデータベースを含むボリュームの空き領域のサイズを MB 単位で指定します。この値未満になると、ストレージ ノードのログにエラーが記録され、格納域へのバックアップが禁止されます。
指定できる値: 0~2147483647 の任意の整数
デフォルト値: 10
管理対象の格納域のデータベースを含むディスクの空き領域のサイズが [格納域 データベースの 空き 領域 におけるエラーの 限度] の値以下になると、ストレージ ノードのログにエラーが記録されます。格納域に対して実行されるバックアップは、空き領域のサイズが制限値より大きくなるまで失敗します。
ストレージ ノードのエラーは、ダッシュボードに表示されます。
データベースは、[格納域メタデータ データベースのパス] パラメータで名前を指定したローカル フォルダのストレージ ノード内に保存されます。