著者:
Alexander Ivanyuk — テクノロジー担当シニアディレクター
Irina Artioli — サイバー保護エバンジェリスト、TRU 研究員
Acronis サイバー脅威アップデートでは、Acronis 脅威リサーチユニット(TRU) とセンサーが検出した、最新のサイバー脅威アクティビティとトレンドが紹介されています。本文書内の数値は、調査対象年の 3 月に収集されたものであり、検出された脅威とともに、公開されたニュース記事を反映したものとなっています。本レポートはグローバルの展望を提示しており、世界中に分散されている、100 万以上の一意のエンドポイントがそのベースになっています。

今月のインシデント
2017 年以来、ZDI-CAN-25373 として特定された Windows の深刻な脆弱性が、北朝鮮、イラン、ロシア、中国を含む国家に支援された少なくとも 11 のハッキンググループによって積極的に悪用されてきました。この欠陥は、Shell リンク(.LNK)とも呼ばれる Windows のショートカットファイルの処理に起因するもので、攻撃者は、ユーザーが意識することなく標的のシステム上で任意のコードを実行することができます。深刻で長期にわたって悪用されているにもかかわらず、マイクロソフトは、この脆弱性が「修正対応の基準に達していない」として、セキュリティパッチのリリースを見送っています。
3 月のマルウェア検出
3 月に、Acronis Cyber Protect はエンドポイントでおよそ 100 万のマルウェア脅威をブロックしました。これは、2 月から 15% の増加となります。
以下の表は、エンドポイントで少なくとも 1 つのマルウェア脅威をブロックした Acronis クライアントの比率、ならびに少なくとも 1 つのマルウェア検出があった、クライアントの正規化された比率を示しています。この比率が高いほど、その国のワークロードがマルウェア攻撃を受けるリスクが高くなります。


保護
上記の脅威は、Acronis のソリューションによって検出し、緩和することができます。
Acronis Cyber Protect Cloud は、複数のレイヤーを使った保護アプローチにより、既知の脅威と未知の脅威の両方に対処します。このアプローチには、振る舞いベースの検知、トレーニングされた AI と ML を活用した検知、およびランサムウェア対策ヒューリスティックスが含まれており、これらは暗号化の試みを検知しブロックするとともに、ユーザーとのインタラクションがなくても、改ざんされたファイルを自動的にロールバックします。
さらに、Advanced Email Security とURL フィルタリングを追加することで、ソーシャルエンジニアリング攻撃から保護できます。また、Acronis #CyberFit スコアにより、対応が必要なシステムを迅速に特定できるようになるとともに、統合パッチ管理により、シンプルな方法でソフトウェアを最新バージョンにアップデートできるようになります。
Acronis Cyber Protect Cloud 向け Acronis XDR により、攻撃を把握するために必要な可視性が確保されるとともに、管理者のコンテキストが簡素化され、あらゆる脅威を効率的に修復できるようになります。