
IT サービスプロバイダーのリモート管理を効率化する、最適な RMM ソフトウェアを見つけましょう。業務効率を高め、運用を簡素化。詳しくはこの記事をご覧ください。
マネージドサービスプロバイダー(MSP)は顧客に、主にインフラの課題からの解放、信頼性、迅速なサポートの 3 つの価値を提供します。3 つの価値をすべて提供しながら利益を確保するためには、顧客の IT 資産を効率よく管理する必要があります。
リモート監視および管理(RMM)プラットフォームは、IT 担当者が問題に気づき、対応し、複数の顧客の IT インフラを単一のツールで管理できるようにすることで、業務効率と収益性を同時に達成します。
この記事では、市販されている主要な RMM ツールを比較し、それぞれの強みと改善余地を明らかにします。また、各プラットフォームの価格体系、拡張性、サイバーセキュリティについても詳しく解説します。
RMM ソフトウェアとは?
従来型の IT 管理ツールとは異なり、RMM ソフトウェアはリモート機能に重点を置いています。担当チームが現地に赴くことなくシステムを管理できるため、分散ネットワークやリモートワーク環境に最適となっています。
リモートアクセスと管理機能を備えていることから、RMM ソフトウェアプラットフォームは、モバイルデバイス管理(MDM)や SaaS 管理プラットフォームと混同されることもあります。
しかし、この 3 つの間には顕著な違いがあります。MDM ソリューションがエンドユーザーのデバイスや、その上で動作するアプリケーションに焦点を当てているのに対し、RMM ソフトウェアは、ネットワーク機器、サーバー、ストレージデバイスを含む IT インフラ全体をカバーします。
一方、SaaS 管理プラットフォームは、クラウドがホスティングするアプリケーションのリモート管理に特化しています。
MSP が RMM ソフトウェアを必要とする理由は?
RMM ソフトウェアは、MSP に対して、(1)IT プロセスの自動化による効率の向上、(2) セキュリティとコンプライアンス管理の強化、(3)ダウンタイムの短縮の 3 つを支援することで、顧客の満足度を向上させます。
1 つのツール内での自動化は、技術者を追加雇用することなく、リソースを最大限に活用し、より多くの顧客にサービスを提供する経済的な方法です。IT インフラの規模を問わず、多額の追加投資をせずに、多くのアカウントにサービスを提供することができます。
顧客にとって、ISO 27001 などのセキュリティ標準への対応が必須となっている昨今、MSP は顧客のデータやデバイスの保護に貢献しています。RMM ソフトウェアは、脆弱性への対処を支援し、アカウントを迅速かつ大規模にコンプライアンス遵守状態に保つことを可能にします。
クラウドベースのアプリケーションの普及に伴い、インフラの可用性や稼働時間に対する期待値も高まっています。RMM は、リモートアクセスやリモートでのトラブル対応を安全に行うことができる強力なソリューションであり、無用なダウンタイムを数分から数時間単位で短縮します。
最適な RMM ソフトを選ぶ際に注目すべき機能
どの RMM プラットフォームにも、RMM を可能にする基本機能があらかじめ備わっています。ここでは、注目すべき機能に加え、統合サイバーセキュリティや自動レポート作成機能など、あまり意識されない機能についてもみてゆきます。
リアルタイムモニタリングとアラート
リアルタイムモニタリングとアラートは、IT システムのパフォーマンスと健全性を継続的に追跡する機能です。あらゆるエンドポイントにおける問題や異常を即座にチームに通知し、迅速な対応を可能にし、潜在的なトラブルを未然に防ぎます。
自動化されたパッチ管理とアップデート
パッチ適用とアップデートの自動化により、手作業を介さずにすべてのデバイスを最新かつ安全な状態に保つことができます。ビジネスに不可欠なデータは、手作業によるアップデートやロールバックに何時間も費やすことなく、脆弱性のリスクから保護されます。
ソフトウェアのデプロイメント
ソフトウェアのデプロイメントに RMM ソリューションを使用すると、IT ネットワーク全体の複数デバイスにアプリケーションを一括して配布できるため、チームの業務効率が向上します。
リモートアクセスと制御機能
重大なアラートが発生した際や予防保守が必要な場合に、デバイスへ接続して管理できることは、RMM ツールに求められる中核的な機能の一つです。技術者がどこからでも問題を解決し、トラブルシューティングを行えることは、リモートワークが新常態となった現在では必須機能と言えます。
統合サイバーセキュリティ機能
インシデントや脆弱性のアラートは、迅速に対応し、安全に脅威を抑えてこそ意味があります。セキュリティを最優先にした RMM プラットフォームを選びましょう。サイバーセキュリティをネイティブに統合したもの、またはより大規模な統合サイバーセキュリティシステムに組み込まれているものが望ましいです。
アセットとインベントリの管理
RMM ソフトウェアを使用すれば、顧客組織内のすべての IT 資産を管理・追跡できます。これは、説明責任やコスト管理に役立つだけでなく、何よりも顧客に対して、高水準のサイバーセキュリティとコンプライアンスを維持することが可能になります。
優れた意思決定を支えるレポートと分析機能
RMM のレポートと分析機能により、チームは重要指標(システムのパフォーマンス、稼働時間、安定性)を監視し、運用に支障をきたす恐れのある傾向を特定して対応することができます。
収益性の観点から RMM の分析機能を活用すれば、正確で可視化された情報を定期的に顧客にレポートすることで、具体的な価値ときめ細かな顧客ケアが可能になります。
主要な RMM ソフトウェアソリューションの比較
これまで、自社に適した RMM ソフトウェアを選ぶ際に注目すべき基本機能について解説してきました。ここからは、最も評価されている RMM ツールと、それぞれの独自機能、および長所・短所を細かく見ていきます。それでは、早速見ていきましょう。
Acronis RMM の概要
Acronis RMM は、安全性に優れた AI 搭載ツールであり、IT チームのシステム遠隔で管理・監視を支援します。デバイスと Microsoft 365 のセキュリティを強化するとともに、自動化により技術者の業務効率を改善します。
G2.com による 2,000 件以上のユーザーレビューでは、RMM 機能を備えた Acronis Cyber Protect Cloud は、セキュリティ、カスタマーエクスペリエンス、サポートにおいて一貫して最高評価を獲得しています。
Acronis RMM の強み
• プラットフォーム型アプローチとネイティブ統合: Acronis RMM は、PSA、バックアップ、ディザスタリカバリ、サイバーセキュリティを含む統合プラットフォームの一部であり、すべて同一のコンソールとエージェントから管理できます。この統合により、技術者の使いやすさが向上し、サービスの信頼性が高まり、ツール間のギャップを解消することで顧客の保護も強化されます。
• セキュリティ最優先のアプローチ: サイバーセキュリティリスクの軽減は、RMM ツールを含むアクロニス製品すべてに共通する基本理念です。脆弱性診断、自己防衛機能付きスクリプト生成、デジタルシグネチャのチェック、安全なリモート接続機能が備わっています。
• スマートオートメーション: Acronis RMM により、技術者はセキュリティとコンプライアンスを損なうことなく、パッチ適用を自動化し、スクリプトをワンクリックで実行でき、反復作業も自動化できます。
• パッチのロールバック管理: パッチアップデートの自動化と同様に、アップデートの取り消し機能も重要です。Acronis RMM には、Microsoft 365 および 300 以上のサードパーティ製アプリケーション向けの自動パッチ適用機能と、問題が発生した場合に簡単にロールバックするオプションが用意されています。
• Microsoft 365 管理: Acronis RMM には、態勢管理、高度なバックアップソリューション、コンプライアンスに準拠したユーザーのオンボーディングとオフボーディングなど、Microsoft 365 環境に対する広範なサポート機能が備わっています。
• 直感的なインターフェース: 非常に使いやすいインターフェースを備えています。ご存知の通り、いかに優れたツールであっても、ソフトウェアの操作が難しければ、その価値は損なわれます。
Acronis RMM の弱み
ほとんどの顧客とパートナーは、Acronis RMM を高品質のツールとして高く評価しています。ユーザーからは、以下の改善提案が寄せられています。
• 手動による介入が必要: まれに RMM ツールがオフラインになった場合には、自動バックアップやセキュリティプロセスを中断させないために、RMM ツールを再起動する必要があります。
• 請求の仕組み: 以前は、顧客のアクティブな構成にかかる費用をリアルタイムで把握できませんでした。こういった問題は、 Acronis PSA に含まれる、簡素化された自動請求設定によって、すでに解決済みです。
Acronis RMM の価格と拡張性に関する考慮事項
Acronis RMM の費用は、管理対象となるデバイスの台数に応じて決まります。正確な見積りを得るためには、価格計算ツールを利用するか、営業チームにお問い合わせください。無償トライアルが利用可能で、少数の小規模顧客のサポートから複数の大規模アカウントの管理まで柔軟に拡張できます。
NinjaOne の概要
NinjaOne はクラウドネイティブなエンドポイント管理プラットフォームであり、あらゆる規模の IT 環境に自動パッチ適用、監視、可視化を提供します。
価格体系は柔軟で、月額プランと年間プランを選択できます。
NinjaOne の強み
NinjaOne は、以下の特徴を備えている、優れた RMM ソリューションです。
• 直感的なインターフェイス: すべての基本機能は直感的な UI と単一のダッシュボードで管理でき、日常的な作業の監視や自動化が可能です。
• アクティビティやリモート環境の監視、セキュリティパッチ管理、デバイス管理に威力を発揮します。
• 40 以上のネイティブ統合: NinjaOne は、Microsoft Azure、Cisco、Halo、Acronis などのソリューションとネイティブに統合することができます(つまりカスタマイズや API ビルドはほとんど必要ありません)。
NinjaOne の弱み
NinjaOne の改善すべき機能は、以下の通りです。
• ディザスタリカバリ: RMM ソフトウェアにおける重要なリモート制御要件の 1 つであるディザスタリカバリ機能に関して、NinjaOne は比較的低い評価となっています。
• リモートワイプ: NinjaOne のような包括的なソリューションであっても、侵害されたデバイスからデータを消去することは困難です。
• モバイルアプリの機能が限定的: 多くのユーザーが指摘しているように、NinjaOne のモバイルアプリでは、ソフトウェアアップデート、パッチ管理、カスタムスクリプトの実行などの主要機能が提供されていません。
NinjaOne の価格と拡張性に関する考慮事項
小規模 MSP にとって、NinjaOne の価格設定は、 RMM ソリューションの中でも高額の部類に入ります。料金は個別見積りで、顧客アカウントごとに異なります。とは言え、顧客満足度は高く、技術者がリモート制御・監視に妥協することなく、あらゆる規模の IT インフラに対応できる拡張性があります。
Atera の概要
Atera は、RMM、プロフェッショナルサービスオートメーション(PSA)、ヘルプデスク機能を備えた、オールインワンの IT 管理プラットフォームです。
価格は、利用する技術者の人数に基づいており、柔軟な月額プランと年間プランが用意されています。
Atera の強み
• パッチ管理: Atera は、セキュリティパッチを簡単に適用できます。リモートアクセス機能は、監視やユーザーフレンドリーなインターフェイスにとどまらず、インテリジェントな自動化やエンドポイントセキュリティも備えています。
• リモート監視およびアクセス: ネットワークデバイス、サーバー、仮想マシン、ストレージデバイスを 1 つのコンソールから安全に監視・管理できます。
• アラート機能: Atera のプラットフォームには、ポップアップ通知、メール、テキスト、自動通話など、ネットワークやセキュリティに問題が発生した場合、技術者に通知するための多くのオプションが用意されています。
• 使いやすい管理コンソール: 直感的なユーザーインターフェイスは、Atera の強みの 1 つです。
Atera の弱み
• 限られた統合機能: Atera は概ね優れた RMM プラットフォームですが、他のサードパーティ製ソフトウェアとの統合機能が限定的であることが大きな欠点です。
• レポート機能: パフォーマンスレポートのカスタマイズは、他の RMM ツールほど柔軟にはできません。
Atera の価格と拡張性に関する考慮事項
Atera の価格体系はシンプルで、接続されているデバイスの台数ではなく、使用する IT 技術者の人数に応じて決まります。30 日間の無償トライアルが用意されており、小規模 MSP 向けの月額料金は 1 ユーザー当たり129 ドルからとなっています。
IT 部門の規模が大きく、エンタープライズグレードのサービスや統合を必要とする場合、Atera の料金は 1 ユーザー当たり月額最大 219 ドルに達し、追加のサポートや機能セットについては個別見積りとなります。
ConnectWise の概要
ConnectWise RMM ソフトウェアは、ビジネス管理、統合監視・管理、サイバーセキュリティなどを提供する ConnectWise アプリケーションスイートの一部として位置付けられています。MSP を顧客とする強固なコミュニティに支えられた ConnectWise RMM は、優れたツールとサポートを提供しています。
料金は個別設定ですが、無償トライアルが利用できます。
ConnectWise の強み
ユーザーは、この RMM プラットフォームの強みとして以下を挙げています。
• 自動化: タスクの自動化やワークフローの設定が簡単にできるため、軽微な問題を深刻化する前に解決するのに役立ちます。
• 複数 OS のサポート: ConnectWise RMM を使用すれば、Apple デバイスのサポート、再起動、アップグレードが簡単に行えます。
• 高速で安全なアクセス: リモートアクセスセッション中の遅延を最小限に抑えることができます。
• 素早く設定できるツール: ConnectWise RMM は、アカウント設定に 15~30 分ほどで済み、1 日以内に稼働させることができます。
ConnectWise の弱み
ConnectWise RMM に指摘されている主な弱みは以下の通りです。
• 高額な価格設定: 他のツールとは異なり、ConnectWise の RMM ソリューションの料金は、ユーザーと接続デバイス単位の両方で同時に発生します。
• サードパーティツールとの統合における制約: ConnectWise はアプリケーションエコシステム全体を提供しているため、同社の RMM ソフトウェアは他のソリューションとうまく統合できます。ConnectWise のエコシステム以外のツールやアプリケーションとの統合は技術的に困難です。
ConnectWise RMM の価格と拡張性に関する考慮事項
前述の通り、ConnectWise RMM の個別見積りは、チームの技術者のユーザー数と、接続されているデバイス数の両方を考慮して設定されます。他のベンダーは、どちらか一方をベースにして価格見積りを行います。プラットフォームの無償版は、30 日から 45 日間試用することができます。
N-able RMM ソリューションの概要
N-able は 2 種類の RMM ツールを提供しています。N-able N-sight RMM は、リモート監視・管理、リモートアクセス、チケット処理、請求処理を組み合わせた包括的なソリューションです。
一方、N-able N-central RMM は、N-sight RMM と同様の監視・管理機能を備えつつ、はるかに柔軟で、大幅なカスタマイズが可能です。
N-able の強み
N-able の RMM 製品は、MSP の 2 つの異なるセグメントに対応しています。この点を考慮すると、2 つのツールに共通するメリットは次の通りです。
• インテリジェントな自動化: ローコード/ノーコードで直感的なドラッグアンドドロップ UI を採用しているため、ワークフローの自動化が簡単かつ素早く実行できます。
• マルチ OS 管理: Windows、Linux、Apple デバイスをすべてサポートし、ネットワーク内外で柔軟なパッチ管理が行えます。
• サードパーティとの統合: N-sight と N-central はどちらも、ネイティブ PSA 統合機能を備えており、Acronis Cyber Protect Cloud、Cisco Meraki、Flexis などの他のツールともスムーズに統合できます。
N-able の弱み
• 限られた Android サポート: 一部のユーザーは、N-sight RMM のこの制約について、Apple デバイスのサポートの方が優れていると指摘しています。
• 中小企業の顧客管理には不向き: N-sight RMM はかなりの設定作業を要し、大規模クライアント向けには「完全な制御のために技術的に優れている」と評されているものの、小規模アカウントの管理にはコスト効率が良くありません。
N-able の価格と拡張性に関する考慮事項
N-able の 2 つのオプションはいずれも個別見積りですが、期間限定で無償トライアルが用意されています。N-sight は小規模 MSP に適しており、N-central は大規模組織にも対応できる拡張性があります。
RMM ソリューションとしての Acronis Cyber Protect Cloud
MSP が Acronis Cyber Protect Cloud を選択する理由として、多層的なセキュリティを提供し、クラウドとローカルの両方のバックアップを処理でき、きめ細かなケアとサポート体制が整っている点が挙げられます。
Acronis Cyber Protect Cloud は、RMM、PSA、サイバーセキュリティを 1 つのプラットフォームに統合しています。エンドポイント、Microsoft 365 シート、Google Workspace シートに対して、標準レベルのサイバー保護、バックアップ、セキュリティ、監視、管理、レポート機能を提供しています。
フェイルセーフパッチ適用や DeployPilot™ など、競合製品とは一線を画す独自の機能を備えています。DeployPilot™ は、複数の顧客環境にソフトウェアを自動展開できます。その主な強みは、集中管理、自動マルウェア対策スキャン、デジタルシグネチャチェック機能を有することです。
RMM が IT を効率化しサービス提供を改善する仕組み
RMM の自動化機能によって、IT チームが実施する手作業の負担が軽減されます。これにより、顧客サービスが迅速になるだけでなく、人為的ミスが発生しにくくなります。
問題のプロアクティブな発見と解決能力は、最適な RMM ソフトウェアを評価する上で重要な要素の 1 つです。顧客は、運用が順調な場合には無関心ですが、何か問題が起こると慌てて反応するものです。プロアクティブメンテナンスは、この問題を解決します。
また、RMM ソフトウェアは集中管理されたダッシュボード、ナレッジ共有、統合チケット処理を通じて、MSP チーム間のコラボレーションを強化します。
RMM とサイバーセキュリティ: 統合が鍵を握る
RMM ツールは、脅威を早期に特定し、緩和する上で重要な役割を果たします。24 時間 365 日のリモート監視は、デバイスやネットワークの稼働状況の確認だけでなく、保護手順を適時に起動するためにも欠かせません。
より包括的なサイバーセキュリティソリューションを選択することで、RMM のセキュリティアラーム作動時に対応するためのすべてのツールが揃います。モジュール間のワークフローを統合して自動化できるため、人手を介することなく、より広範な保護を実現できます。
RMM ソフトウェアを使用してエンドポイントを保護するためのベストプラクティスには、自動パッチ適用、継続的なエンドポイントスキャン、およびリアルタイムアラートとファイアウォール、ウイルス対策、データ暗号化の自動トリガーとの統合が含まれます。
MSP に最適な RMM の選び方
MSP に最適な RMM は、単に最高の評価を得た製品を選べば良いというものではありません。自社のニーズと要件を十分に満たす最適なソリューションを導き出すためには、多くの要素を慎重に見極める必要があります。そこで、自社のビジネスを次のレベルへと導くソフトウェアを選択する際に、留意すべき要点をリストにまとめました。
自社のビジネスニーズと顧客要件を精査する
最適な RMM ソリューションは、サービスを提供する顧客の数、顧客の IT アーキテクチャの規模と複雑さ、特定の RMM 機能が顧客にとってどの程度重要か(セキュリティ優先かシンプルさか、価格重視か最高水準の SLA か)によって異なります。
オンプレミスかクラウドホスティングのアプリケーションのどちらにリモート監視・管理が必要かを検討しましょう。提供するサービスや価格体系によっても、選択すべき方向性が左右される場合があります。
導入と操作のしやすさを評価する
使いやすさを評価するには、Capterra、Clutch、G2、あるいは Reddit などの Web サイトで、実際のユーザーレビューをチェックするのが最善です。そこでは、さまざまなスキルレベルの IT 専門家の声が掲載されています。自社チームのレベルに近いユーザーのレビューを参考にしてください。あるチームにとっては適切な RMM ソフトウェアであっても、他のチームでは使いやすいとは限りません。
ベンダーサポートやトレーニング資料を確認する
機能や性能で高い評価を得ている RMM ソリューションでも、カスタマーサポートの評点が低い場合があります。
特に RMM ツールにある程度のカスタマイズが必要な場合は、希望するベンダーのサポートオプション(チケットシステム、FAQ、問い合わせ方法)を確認し、どの程度きめ細かく支援してもらえるかをチェックしましょう。
MSPのための RMM の将来
リモート監視は、現在、他の多くのデジタル機能と同様に、AI や機械学習主導型へと移行しつつあります。AI は自動化と分析に優れており、訓練された人間の目よりも先に、傾向、脅威、脆弱性を検出できます。
AI は、チケッティングシステムやチャット運用の基盤として機能することで、顧客アカウントへのサービス提供とサポートを一層向上させることができます。
RMM ソフトウェアの環境に影響を与えるその他のトレンドとして、以下の点が挙げられます。
• クラウドファーストおよびハイブリッドクラウド対応 RMM ソリューション
• セキュリティが最優先課題となる中、ゼロトラストアーキテクチャの台頭
• 統合プラットフォーム
• 自社ブランドで提供するホワイトラベルの RMM ソフトウェア
次世代 RMM ツールには何が期待できるでしょうか?AI は、完全に信頼することはできませんが、学習スピードの速さにより、ハイパー自動化 RMM プラットフォームが標準となる日も近いでしょう。
よくある質問(FAQ)
RMM ソフトウェアは、運用コストの削減にどのように役立ちますか?
RMM ソフトウェアは、IT インフラ管理における手動作業に起因するコストを抑えることで、運用コストを削減します。RMM ツールを導入することで、IT 要員を増やすことなく、複数の顧客を大規模に監視・管理できるようになります。チームは、精神的負担や担当している IT 環境へのリスクを抑えながら、より多くの業務を効率よく遂行できます。
RMM ソフトウェアは他の MSP ツールと統合できますか?
はい、ほとんどの RMM ソフトウェアベンダーは、他の MSP ツールとのネイティブ統合機能を提供しています。標準の統合機能が充実しているプラットフォーム(NinjaOne、Acronis Cyber Protect Cloud)もあれば、カスタマイズや API 作業が必要となるもの(Atera、ConnectWise)もあります。
RMM の自動パッチ管理は、どのように IT セキュリティを強化するのですか?
自動化されたパッチ管理は、脆弱性が発生した際の人的ミスを最小限に抑えます。自動化により、IT チームは遅滞なく一貫性のある方法でセキュリティパッチを適用できます。自動化は、すべてのエンドポイントとシステムを同時にアップデートするという繰り返し作業を処理し、チームに過度な負担をかけません。
RMM と PSA ソフトウェアの主な違いは何ですか?
PSA アプリケーションは、MSP のビジネスモデルのすべての要素をカバーします。PSA プラットフォームは、請求処理、ヘルプデスク管理、営業、マーケティング、プロジェクト管理など、幅広い業務領域を支えます。一方、RMM プラットフォームは、IT インフラのパフォーマンス、リモート制御、監視、サポートに特化しています。
Acronis Cyber Protect Cloud は、他の RMM ツールと何が異なるのですか?
Acronis Cyber Protect Cloud(RMM)は、Datto RMM とよく比較されますが、これはどちらもセキュリティファーストのアプローチを採用しているからです。しかし、アクロニスは RMM、PSA、サイバーセキュリティを 1 つのプラットフォームに統合しています。したがって、サービスを提供するアカウントごとに複数のデータ保護ソリューションを導入する必要はありません。
RMM ソフトウェアは、クラウドベースの IT インフラを監視できますか?
最新の RMM ソフトウェアは、従来のオンプレミス IT インフラに加え、クラウドサーバーからのデータも監視・収集することができます。従来の RMM ソリューションにも、クラウドに特化した監視・管理アドオンを組み込むための統合機能が用意されています。
まとめ
最適な RMM ソフトウェアを選択する際は、スタンドアロンツールにとどまらず、Acronis Cyber Protect Cloud のような統合型でセキュリティを最優先したプラットフォームにも注目してください。RMM プラットフォームの標準的な機能だけでなく、スマートで自律的、かつサイバーセキュリティと深く統合された次世代 RMM も検討対象にしましょう。ビジネスをまったく新しいレベルに引き上げたいならば、ほとんどの業務プロセスを自動化し、顧客ベースを拡大し、収益を最大化するために必要なすべての機能を提供する Acronis RMM が最適な選択です。もう迷う必要はありません。今すぐアクロニスファミリーの一員になりましょう。後悔することは一瞬たりともありません。
Acronis について
Acronis は、2003 年にシンガポールで設立されたスイスの企業で、世界 15ヵ国にオフィスを構え、50ヵ国以上で従業員を雇用しています。Acronis Cyber Protect Cloud は、150の国の26の言語で提供されており、21,000を超えるサービスプロバイダーがこれを使って、750,000 以上の企業を保護しています。



