なぜパブリッククラウドは「仕事には好ましくない」と理解されながらも活用されてしまうのか

ご存じのとおり、昨今はワークスタイルに変革が起きており、自宅やカフェ、レンタルオフィスなど様々な場所で働く人が増えています。言い方を変えると、「モバイルワーカー」化が進んでいると言えます。

 

なぜこのような動きになってきたのでしょうか。

 

理由の一つとして挙げられるのがDropboxやBoxなどのコンシューマ向けクラウドサービスの発展です。社員はデータをクラウドに保存し、様々な場所にいる人と共有しながら仕事をすることができます。一方で、企業におけるスマートフォンやタブレット、モバイルノートPCやMacの採用は、前時代的なパーティションで区切られた作業スペースから私たちを解放してくれました。

 

これらの新しいサービスやデバイスは非効率的なプロセスを削減し、生産性を向上に貢献しました。社員はどこからでも社内外にファイルを共有でき、インターネットに繋がってさえいれば最新の状態のファイルに、いつでもどこからでもアクセスでき、ハードウェアの故障時にもデータはオフプレミスに保護されています。

 

パブリッククラウドやモバイルデバイスの仕事への活用はメリットしかないように聞こえますが、ここで注意しなければならないのは、これではIT部門が情報の管理ができなくなり、企業は情報漏えいというリスクに晒されるという点です。データは企業の生命線であり、このワークスタイルの変革は、通常は企業の内部ネットワークに守られているデータを流出させてしまう危険をはらんでいます。

 

モバイルファイル共有ソリューションを導入する際のIT部門の最優先事項は誰がどのファイルにアクセスし、誰に共有しているかを確実に把握し、管理することです。IT部門はセキュリティを担保し、様々な規制に遵守していることを確認する必要があります。データが管理できなくなるということは顧客の資産情報や患者の健康情報または社内の機密情報や重要情報などが開示されかねないということを意味します。

一般的にIT部門はVPNと制御のためのセキュリティーツールを使い社員にアクセス権を付与していますが、問題なのは数多く存在するコンシューマクラウドサービスと社員が個人のデバイスを職場に持ち込むBYOD(Bring Your Own Device)であり、どのようなツールやデバイスでも仕事に自由に使えてしまう環境です。社員にセキュアなツールを使ってもらいたいのであれば、ただガチガチに制御したものではなく、便利で仕事の生産性を上げるものでなければなりません。

 

BYODに対して厳格なポリシーを設定することは必ずしも得策ではなく、強要するのはもはや不可能です。従業員に前時代的で非効率なツールやサービスを押し付けるのではなく、簡単に楽しく仕事に使える人気ツールを活用することが大切です。ここに4つのステップを述べていきます。

 

  • トレーニングのあまり必要ないアプリケーションを選定 
    直感的に使えるツールであれば、大掛かりなトレーニングの必要はありません。また、使いこなせないツールのために従業員に長時間のトレーニングをする必要はありません。

 

·         出先で社員が必要になる領域すべてのアクセス権を付与 
社内ファイルサーバ、NAS、SharePointなどを含む必要なデータすべてへのアクセス権を付与することにより、どこでも仕事をすることが可能になります。

 

·         社員が使用するすべてのデバイスからのアクセス権を付与 
PCMacBook、 iPhone、 iPad、Androidなど社員が使用したいデバイスを使わせてあげてください。これらのデバイスを使用し仕事ができるのであれば、セキュアな環境で彼らが働きたいように働けるプロセスやツールを用意し、できる限り生産性を向上するのがベストです。

 

·         セキュリティを見えないようにする
パブリッククラウドは簡単に使用できるのに対し、企業のコラボレーションツールはセキュリティに焦点が置かれています。セキュリティはもちろん大切なものですが、ユーザーエクスペリエンスに影響を及ぼすことは避けたい点です。

社員の満足度とセキュリティは必ずしも相反するものではありません。むしろ補てんしあうものだと考えています。従業員による過失や不正はセキュリティインシデントの原因となりがちです。社員に対し、実際に役立つセキュアなソリューションを提供することにより、セキュアで生産性の高い仕事環境を実現できるのです。