2017年5月17日(水) — 7 読了までの所要時間(分)
アクロニスがWannaCryの脅威に対抗できた理由
世界中に猛威を振るったランサムウェアWannaCry(他にWanna Cryptor、WannaCrypt、WannaCryptor、Wcryなど)によるサイバー犯罪ですが、OSのアップデートをしていなかった場合にも、アクロニスのバックアップソリューションを利用していたユーザーは被害を食い止めることができました。
WannaCryはWindowsの脆弱性(MS17-010)を使用した物で、サポート対象内のOSを適切にアップデートしていたユーザーには影響はありませんでした。
https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/security/ms17-010.aspx
Microsoft Windows SMB サーバー用のセキュリティ更新プログラム (4013389)
しかし、OSのアップデートを何らかの理由で行っていなかった場合や、サポート対象外の古いOSを使用していた場合は影響を受け、ファイルが暗号化されるような被害を受けました。
今回はすでに公表され、対策もされている脆弱性に対する攻撃でしたので、適切に対処していれば攻撃自体は防げました。
何らかの理由によりOSのアップデートをしていなかった場合には、今回のWannaCryが動作し、データを暗号化しました。
OSのアップデートができていなかった場合でも、アクロニスのバックアップソリューションを利用していた場合、次の理由によりWannaCryからデータを保護することができました。
イメージバックアップを採用している
バックアップの方式は大きく分けるとファイルバックアップとイメージバックアップがあります。
ファイルバックアップは、ファイルをそのまま他の場所へコピーするバックアップです。このバックアップの場合、ランサムウェアはバックアップ先のデータも 暗号化してしまいます。
アクロニス製品が利用しているイメージバックアップは、データをアクロニス独自の方式で保存します。
今回のWannaCryは、166種類の拡張子のファイルを対象に暗号化しましたが、この中にアクロニスのバックアップファイルは含まれていませんでした。
WannaCryがパソコン内のファイルを暗号化したとしても、アクロニスのバックアップデータは無事だったので、すべてのファイルを取り戻すことが可能でした。
バックアップデータをさらに保護するには
今回のWannaCryはアクロニスのバックアップファイルを暗号化しませんでしたが、ランサムウェアによってはこのバックアップファイル自体を暗号化する可能性があります。
このため、バックアップファイルはランサムウェアがアクセスできない場所に保存するのが安全です。
そのためには、普段は接続しない外付けHDDを、バックアップ時にのみ接続するような操作が必要となります。
アクロニス製品では、バックアップ設定を複数できるので、普段は常に繋いでいるドライブにバックアップし、定期的に、別のドライブをその時だけ接続しバックアップするような事も可能ですが、利便性の面で問題があります。
おすすめはクラウドへのバックアップです
バックアップを手元(オンプレミス)とクラウドにすることで、バックアップ自体が多重化されより安全性が増します。
クラウドの中には、Windowsのエクスプローラーから参照できる場合がありますが、この場合はランサムウェアがクラウド上のファイルも暗号化してしまう場合もあります。
アクロニスが提供しているクラウドへのバックアップでは、ランサムウェアは直接アクセスできないので、クラウド上へのバックアップファイル暗号化被害を防ぐことができます。
http://www.acronis.com/ja-jp/personal/true-image-features/#_cloud-features
個人向けクラウドバックアップ
http://www.acronis.com/ja-jp/cloud/backup/
Acronis Cloud Storage
Acronis Active Protectionが機能した
Acronis True Image 2017 New Generationから対応した機能に、ランサムウェア対策のActive Protectionがあります。