テクノロジー業界で働く女性が陥るFOMO ― 取り残されることへの不安

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FOMO(フォーモ:Fear of missing Out =取り残されることへの不安) はソーシャルメディアにルーツがあると言われていますが、この現象じたいはソーシャルメディアが登場するずっと前から存在していました。多くの人はFOMOを、キャリアやライフスタイルなどにおける他人への嫉妬や不安に駆られた間違った考えと理解していますが、必ずしもそうとは限りません。

テクノロジー業界で働く女性にとってのFOMOは、長年にわたりこの業界でインクルージョンつまり多様性を受け入れる風土が欠落していた結果であり、そのことがキャリアと個人の両方に影響を及ぼしてきました。十分な学びや昇進の機会を得られない女性は、驚くほどの数でテクノロジー業界から脱落し、さらに不安やパフォーマンスの低下、燃え尽き症候群を経験してきました。テクノロジー業界の女性はチャンスを逃すことを恐れているわけではなく、実際にチャンスを逃してしまっていたのです。

アクロニスではFOMOに関する匿名の調査を実施しています。所要時間は5分以内です。あなたのFOMO体験を是非お寄せください。日本語のアンケートはこちらのリンクから

テクノロジー業界における男女格差

この業界における男女格差を否定する人はほとんどいないでしょう。Women in Tech Networkの調査によると、米国の経営幹部で女性が占める割合は25%、リーダー職全体の5%にすぎません。さらに、マネージャーに昇進した男性の数100人に対して女性は87人です。以下にいくつかの数字を紹介しましょう。

·       女性はテクノロジー業界の労働力の28%。

·       370万人の女性がテクノロジー業界で働いており、23%が技術部門に従事。

·       欧州では170万人の女性がテクノロジー業界で働いており、19%が技術部門に従事。

·       女性トップが率いるスタートアップのうち資金調達を受けたのは2.3%。

·       2022年に解雇された技術者のうち69.2%は女性。

COVID-19のパンデミックとその経済的影響は、世界的に女性に壊滅的な影響を与えました。Qualtricsが2020年8月に行った調査によると、子どもを抱えて在宅勤務をしている男性の34%が昇進を経験したと答えたのに対し、昇進した女性はわずか9%でした。さらに、男性の29%が昇給を経験したと答えたのに対し、昇給した女性は13%でした。

最後に、テクノロジー業界で働く女性は、世界中で驚異的なレベルで 「母親ペナルティ」 (育児の責任のために女性のキャリアが悪影響を受ける現象) を受けています。Tech Talent Charterによると、2023年にテクノロジー業界を去った女性の40%が「育児」 「介護」 の重責を理由としていました。

インクルージョンはビジネスに貢献する

インクルージョンとは、多様性を受け入れることを意味し、すべての従業員がビジネスに有意義な貢献をできる環境のことです。有意義な会話や取り組みから取り残された女性は会社に貢献をすることができず、企業側も女性を軽視することでマイナスになっています。

マッキンゼーによると女性の割合が高い企業は、女性が少ない企業よりも50%高い利益を報告しており、多様性に優れた企業は、多様性の低い企業を48%上回る可能性が高くなっています。

上記の数字は、多様性、公平性、インクルージョンが単なる企業責任プログラムではないことを示しています。インクルージョンは女性のキャリアだけでなく、企業の業績にも影響を与えるビジネスを成長させる原動力であることが証明されています。

女性が活躍できるインクルーシブな環境を促進するには、女性のキャリアを支援するための対策を真剣に講じる必要があります。マッキンゼーは、女性が技術者からスピード昇進を可能にする3つの要素 「イネーブラー」 を特定しています。

1. スキル:高度なスキルを開発するために必要な情報と能力を身に着ける可能性を女性に提供する。

2. サポート:技術的役割を担う女性に、メンター、スポンサー、ロールモデルといった支援ネットワークを提供する。

3. ストラクチャ:必要なポリシー、プラクティス、手順を実施することにより、昇進のための平等な機会を確保する。

テクノロジー業界で働く女性が職場のFOMOと闘うには、有意義な会話やイニシアチブに参加し、キャリアアップに必要なスキルを身につけ、指導的立場にある女性から学ぶ機会を女性に提供する必要があります。これらの重要な要素がなければ、女性は取り残され続け、FOMOを感じ続けるでしょう。

テクノロジー業界の女性に対するアクロニスの取り組み

アクロニスは現在、3月8日の国際女性デーを含む女性史月間 (Women’s History Month)を祝い、職場のFOMOを克服するためのバーチャルイベントや、グローバルな女性ネットワークとの地域イベントなど、従業員向けのさまざまな社内活動やプログラムを実施しています。これにとどまらず、アクロニスではテクノロジー業界の女性が活躍できる環境づくりに年間を通じて取り組んでいます。

·       Women in Tech  メンターシッププログラム: 次世代のリーダーを育成するために、アクロニスの女性社員の成長、キャリア開発、会社を超えたつながりをサポートします。

·       #CyberWomenイベントの各国での実施: アクロニス経営陣がサポートし各国のグローバルネットワークを構築することを目的としています。各国でのネットワーキングを奨励し、将来のリーダーを見つけ出す手助けをします。

·       #CyberDiversity:さまざまな文化、背景、性別、宗教、年齢、出身、スキルといった多様性を尊重し平等な環境を作り出します。

·       #CyberWomen:キャリア開発、メンターシップ、コミュニティなどを提供し、アクロニスの女性を個人的にも職業的にもサポートします。グローバルレベルと地域レベルの両方で、女性、エグゼクティブ、外部参加者を対象としたバーチャルおよび対面のミートアップ、ワークショップ、トレーニング、ネットワーキングの機会を提供します。

職場でFOMOを経験したことがありますか? 今回アクロニスは社内外で 「FOMO」 調査プロジェクトを立ち上げました。変化の速い業界、リモートワークの増加、男女格差の進行の中で、職場にいるすべての人がどのようにして自分を見失っているのかを理解することを目的としています。匿名のアンケートに5分お時間を頂けますと幸いです。

アクロニスについて

アクロニスは2003年にシンガポールで設立されたスイス企業です。アクロニスは、世界15か所のオフィスと50カ国以上で拠点を擁しており、Acronis Cyber Protectソリューションは150カ国に26言語で提供され、2万社を超えるサービスプロバイダーで利用されており75万社を超える企業を保護しています。

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