社内と社外が入り乱れる働き方が広がり、システム構成も複雑化している今、「どう自社を守るか」は全ての組織にとって最優先課題になっています。ただ問題は、セキュリティ脅威への対抗手段は充実しているものの、「ピンポイント対策の積み重ね」では意義が半減してしまうこと。「迅速に検知・対処できる一連の仕組み」にどう位置付け、どう生かすかという全体観が強く求められているのです。ITmedia Security Week 2023 秋では、対策の勘所と必要な要素を明確化。各種ツールの「生かし方」を詳説します。

かつて、SMBはサイバー犯罪の優先的ターゲットではありませんでした。しかし、リモートワークが増加してエンドポイントが増加した今日、サイバー犯罪者は AIや機械学習と自動化を活用し、直接もしくはサプライチェーン攻撃によって、SMBをターゲットに据えるようになっています。残念ながら、SMBにはサイバーセキュリティ対策を自社で行う予算も人手もありません。しかし MSPは、予算に合うデータ保護サービスを SMBに提供することができます。

ランサムウェア攻撃が増加を続けるなか、SMBはビジネス継続性および重要データに対するさらに高度化した新たな攻撃に直面しています。サイバーセキュリティや IT オペレーション関連のどんなに優秀な人材を雇っても十分ではありません。そして、セキュリティ部門の敵とも言えるChatGPTが登場し、サイバー犯罪者は完璧なフィッシング用 Eメールを書けるようになっています。それに対してマネージドサービスプロバイダーができることは、MSP に最適化されたサイバープロテクション プラットフォームを使用したランサムウェア対策サービスを展開することです。

NASバックアップは、3-2-1-戦略に従ってデータをバックアップする可能性を提供します。この方法では、3つのデータコピーを持ち、その2つはメディア上に、1つはオフサイトにバックアップする必要があります。このうち1つがNASバックアップかもしれません。 （NASはコールドストレージには使われることはほとんどありませんが、ウォームストレージオプションでは優れた力を発揮することは注目に値します） ネットワークアタッチドストレージ（NAS）とは何か、NASデータバックアップのメリットとは何か、そしてAcronis Cyber Protectを使用してデータをバックアップする方法を説明していきます。