2025年3月3日(月)

Acronis サイバー脅威アップデート(2025 年 3 月)

著者:

  • Alexander Ivanyuk テクノロジー担当シニアディレクター
  • Irina Artioli サイバー保護エバンジェリスト、TRU 研究員

 

Acronis サイバー脅威アップデートでは、Acronis 脅威リサーチユニット(TRU) とセンサーが検出した、最新のサイバー脅威アクティビティとトレンドが紹介されています。本文書内の数値は、調査対象年の 2 月に収集されたものであり、検出された脅威とともに、公開されたニュース記事を反映したものとなっています。本レポートはグローバルの展望を提示しており、世界中に分散されている、100万 以上の一意のエンドポイントがそのベースになっています。

 

Acronis

今月のインシデント

FBI は、北朝鮮の悪名高い Lazarus ハッキンググループが、Bybit 取引所をターゲットにした、15 億 ドルもの大規模な暗号通貨盗難事件の黒幕であることを確認しました。これは単一の暗号通貨盗難事件としては、これまで記録されているもののなかで最大となっています。この攻撃は、侵害された、Safe{Wallet} 開発者のデバイスに関係する脆弱性をエクスプロイトしたものであり、これによりハッカーは、Bybit のコールドウォレットからの転送中にイーサリアム資金を捉え、リダイレクトすることができました。その後、盗まれた資産は、さまざまなブロックチェーンアドレスが関わる巧妙なプロセスを経てロンダリングされました。これは、Lazarus が不正な利益の形跡を隠すために使用している手法です。北朝鮮政府から資金を供与されていることが知られているこのグループは、2024 年にはとりわけ活発に活動しており、年間を通じて、47 の個別の暗号通貨盗難によって、13 億 4,000 万ドルを盗んだと FBI は指摘しています。

 

2 月のマルウェア検出

2 月に、Acronis Cyber Protect はエンドポイントでおよそ 100 万のマルウェア脅威をブロックしました。これは、1 月から 2% の増加となります。

以下の表は、エンドポイントで少なくとも 1 つのマルウェア脅威をブロックしたAcronis クライアントの比率、ならびに少なくとも 1 つのマルウェア検出があった、クライアントの正規化された比率を示しています。この比率が高いほど、その国のワークロードがマルウェア攻撃を受けるリスクが高くなります。 

Acronis
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保護

上記の脅威は、Acronis のソリューションによって検出し、緩和することができます。

Acronis Cyber Protect Cloud は、複数のレイヤーを使った保護アプローチにより、既知の脅威と未知の脅威の両方に対処します。このアプローチには、振る舞いベースの検知、トレーニングされた AI と ML を活用した検知、およびランサムウェア対策ヒューリスティックスが含まれており、これらは暗号化の試みを検知しブロックするとともに、ユーザーとのインタラクションがなくても、改ざんされたファイルを自動的にロールバックします。

さらに、Advanced Email SecurityとURLフィルタリングを追加することで、ソーシャルエンジニアリング攻撃から保護できます。また、Acronis #CyberFit スコアにより、対応が必要なシステムを迅速に特定できるようになるとともに、統合パッチ管理により、シンプルな方法でソフトウェアを最新バージョンにアップデートできるようになります。

Acronis Cyber Protect Cloud 向け Advanced Security + Extended Detection and Response (XDR) により、攻撃を把握するために必要な可視性が確保されるとともに、管理者のコンテキストが簡素化され、あらゆる脅威を効率的に修復できるようになります。