2013年8月22日
プレスリリース

「BYOD グローバル・トレンドリサーチ 2013」を発表

~パブリッククラウド利用および BYOD に関するポリシー設定率、厳格さ、Apple 製品の普及率で日本は世界最高水準を達成~

【2013 年 8 月 22 日付プレスリリース】

物理環境、仮想環境、クラウド環境に対応した使いやすいバックアップと復元のソリューション、モバイル・ファイルマネジメント・ソリューションを提供するリーディングカンパニーであるアクロニス社(本社:米国マサチューセッツ州/日本(アクロニス・ジャパン):東京都港区、代表取締役 村上 督、以下:アクロニス)は、世界 8 カ国の企業 IT 管理者、アドミニストレータを対象に、BYOD、クラウド、職場での Apple 製品の浸透度などに関する調査を実施(2013 年 3 月に調査を実施)し、同調査の結果をまとめた「BYOD グローバル・トレンドリサーチ 2013」を発表しました。

本レポートは、特設ページよりダウンロードが可能です。

BYOD の世界規模での普及が進む中、多くの企業では、簡単なセキュリティを担保するステップや従業員の BYOD 教育の徹底が図れていないため、大切な情報資産が危険にさらされています。アクロニスは、本調査レポートの提供を通じて、企業が現状を把握するとともに、今後とるべき戦略や施策を構築・再考するためのヒントを提供できるものと考えています。

「BYODグローバル・トレンドリサーチ2013」要旨

グローバルハイライト

  • BYOD:約 6 割の企業では、BYOD のポリシーが設定されていなく、8 割の企業では、社員向けに BYOD の教育が実施されていない。BYOD のポリシーが設定されている企業のうち、24 % では、役員向けにポリシールールの例外を設けている。また、職場で個人デバイスの持ち込みが許可されている場合、31 % の企業のみデバイスのパスワードやキーロックをかけ、21 % の企業のみ、リモートデバイスワイプなどセキュリティ施策を講じている。

  • クラウド:67 % の企業は、企業におけるパブリッククラウド利用に関するポリシーがなく、80 % の企業では、利用に関する社員教育が行われていない。

  • Apple製品:65 % の企業は 12 カ月以内に、また、80 % が 1 年後以降に Mac 製品をサポートすると回答。しかし、約 6 割の企業が互換性の問題などを危惧。

日本ハイライト

  • BYOD に関するポリシー設定率は世界で 2 番目に高く(54 %)、ポリシーの厳格さでは、世界一

  • 世界で一番企業ネットワークへの個人モバイルデバイスからのアクセスを遮断している(40 %)

  • エグゼクティブ向け BYOD ルールの例外適用率が世界で一番低い(11 %)

  • パブリッククラウド利用に関するポリシーを持つ企業の割合が世界で二番目に高く(44 %)、社員へのトレーニングが世界で一番進んでいる(33 %)

  • Apple 製品の企業内での現在のサポート率に今後 1~2 年後のサポート率を足した割合が、世界で一番高い(85 %)。

グローバル動向:BYOD に関するルールづくりの低さ、パブリッククラウド利用の不十分な対応が顕著、Apple 製品の企業での台頭

BYOD:テレワーク、BYOD(Bring your own Devices)、シャドー IT など「モバイル」の普及は、企業での働き方に変革をもたらし、加速的に浸透度を増しています。昨今のタブレットやスマートフォンの普及により、企業においてのモバイルデバイスの活用は、拡大しています。しかし、本調査によると、グローバル全体では、およそ 4 割の企業が BYOD ルールを定めていないことが分かりました。調査した国の中で一番低い水準(23 %)となった中国については、企業資産に対する保護や価値に対する認識が希薄だと考えられます。また、社員向けの BYOD 教育では、ポリシーを設定済の企業の 21 % でのみ実施されているのが現状で、中国にいたっては、12 % の実施率にとどまっています。BYOD の例外ルール(主に、緩和されたルール)に関しては、24 %(グローバル平均)の企業で主に役員向けに設定されています。同例外ルールの適用率が高い傾向にある国として、ブラジル(43 %)、フランス(37 %)が挙げられます。例外を設けることにより、企業の情報資産が漏れる可能性も高くなると考えられます。

クラウド:パブリッククラウドは、暗号化やハッキング被害などに起因する情報漏えい・侵害のリスクがあるなど、その課題が指摘されています。現時点で、パブリッククラウドを業務に利用し、ファイルシェアを許可するルールを適用している企業は、全体の 27 % であり、ルール設定率において最低水準の国は、ブラジル(12 %)でした。パブリッククラウドの利用方法に関する社員教育については、全体の約 2 割での実施に留まっています。一番実施率の低い国は、ブラジルの 11 % でした。

Apple 製品:現時点で、38 % の企業は、Apple 製品を職場でサポートしています。「12 カ月以内に、Apple 製品をサポートする」と回答した企業と合わせると、この 1 年で65 % の企業がサポートすると回答しています。Apple 製品の職場での利用は拡大すると予測されます。ここ1年以内での導入予定率を見ると日本(42 %)、ブラジル(37 %)、オーストラリア(36 %)は、Apple 製品の導入への意欲が強い一方、互換性の問題(57 %)、サポートのコスト増(54 %)、データバックアップの複雑さ(47 %)などが導入の妨げになる可能性は否定できません。

日本動向:世界トップレベルの BYOD、パブリッククラウドの管理・利用体制

日本ではここ数年、モバイルデバイスの企業環境での利用が加速しています。それに伴い、パブリッククラウドの活用、Apple 製品の職場での利用が広まっています。一方で、きちんと管理されていない場合、企業の重要な情報資産が危険にさらされる可能性が高まると予測されます。

BYOD:日本企業では、調査対象となった国々と比較して、より厳格なレベルの管理体制が構築・運用されています。我が国における BYOD に関するポリシー設定率は、世界で2番目に高く(54 %)、世界平均の 41 % を大幅に上回っています。また、BYOD 導入企業の 40 %(世界平均:31 %)は、ネットワークへのアクセスが禁止され、情報セキュリティー対してより厳格な対応が図られています。
日本の企業における従業員への BYOD 教育実施率は、全体の 35 % で、世界で一番高い(世界平均:21 %)割合で企業環境において実施されています。エグゼクティブに対する BYOD ポリシー設定における例外適用率は、約 1 割(世界平均:約 2 割)で、世界 No.1 でした。日本では、BYOD が許可されている場合、デバイス上にエンドポイント・セキュリティ・アプリケーションをインストールする割合が 57 %(世界平均:36 %)、また、ネットワークおよび企業システムへのアクセスには VPN またはセキュアなゲートウェイ接続を使用している割合(日本:84 % / 世界平均:68 %)が高いことがわかります。

クラウド:我が国では、企業環境においてパブリッククラウドの活用が進んでいます。パブリッククラウドサービスのビジネスファイルの共有を許可したポリシーがある割合は 44 % で、世界で 2 番目の高い水準です(世界平均では、27 %)。さらに、日本では、ファイル活用に関して各種ルールが策定され、世界で 2 番目に厳しいルールが適用されています。例えば、エンドユーザのモニタリングアプリケーションの使用(60 %)、許可されていないアプリケーションのブラックリスト化(48 %)などは、我が国の企業環境において高い割合で実施されています。

Apple製品:また、Apple 製品の企業環境への浸透が加速する我が国では、現時点で 37 % の企業がすでに Apple 製品をサポートしています。企業が今後新たに 1 ~ 2 年以内に Apple 製品をサポートする率は 48 % となり、世界で No.1 の割合です。現時点で 37 % の企業がサポートしていることと今後のサポート率を合わせて、85 % の企業が Apple 製品のサポートを企業内で実施する可能性がある、ということが分かりました。しかし、サポートコスト増(62 %)、互換性の問題(58 %)などがハードルとなっています。

まとめ

世界的に BYOD は日々拡大を続けています。これによりユーザは、便利さやスピーディな業務推進などのメリットを享受しています。しかし、BYOD の導入は、同時に企業の情報資産の漏洩リスクを高めます。企業では、BYOD の利点は享受しつつも、ポリシーの設定やトレーニングの徹底が必須となります。また、パブリッククラウドの利用に関するポリシーの設定、教育の徹底、データの管理方法に関するルール策定を実施する必要があります。Apple 製品もサポートすることで、個人の仕事のしやすさや効率化を図るサポートをすることも重要となります。

【調査概要】

実施期間 2013年3月
参加国 8 カ国
  • アジア太平洋:日本、中国
  • ヨーロッパ:ドイツ、フランス、イギリス
  • オセアニア:オーストラリア
  • アメリカ大陸:アメリカ、ブラジル
調査対象 企業の IT 管理者、アドミニストレーター、121,783 企業、有効回答数は 4,374(有効回答率:3.6 %)(日本は 509 名の回答)
調査実施会社 Ponemon Institute
調査方法 独自に企業規模、中小(500 名以下)~大規模(25,000 人以上)の IT 担当者、アドミニストレーターのサンプルを選び実施。


アクロニスについて:
アクロニスは、マネージドサービスプロバイダー(MSP)、中小企業(SMB)、およびエンタープライズ企業のIT部門向けに、ネイティブに統合されたサイバーセキュリティ 、データ保護、およびエンドポイント管理を提供するグローバルなサイバープロテクション企業です。アクロニスの効率性に優れたソリューションは、最小限のダウンタイムで最新のサイバー脅威を特定、防止、検出、対応、修復、復元し、データの完全性とビジネスの継続性を確保するように設計されています。 アクロニスは、多様で分散したIT環境のニーズを満たす独自の機能により、MSP向けに市場で最も包括的なセキュリティソリューションを提供しています。

アクロニスは2003年にシンガポールで設立されたスイス企業です。アクロニスは、世界15か所のオフィスと50カ国以上で拠点を擁しており、Acronis Cyber Protectソリューションは150カ国に26言語で提供され、2万社を超えるサービスプロバイダーで利用されており75万社を超える企業を保護しています詳細はwww.acronis.comをご参照ください。
プレス連絡先:
Katya Turtseva
VP of Communications