Acronis Cyber Protect Cloud Advanced Securityパックで、ウイルス対策と ふるまい検知も実行、運用負荷の低減とコスト削減も果たすことができました。
事業の概要
岡本土木株式会社(以下、岡本土木)は1917年に創業し福岡県北九州市に本社を構える総合建設会社です。同社は「地域のインフラ整備を通して社会に貢献する」との企業理念のもと、公共工事を中心に舗装工事、土木工事、港湾工事を行ってきました。舗装工事は大規模な道路新設工事から簡易施工や緊急工事など比較的小規模な路面補修工事も行っています。
土木工事は上下水道・電気通信等のインフラ整備から管渠(かんきょ)築造、橋台下部工他の各種構造物の新設を行っています。港湾工事は浚渫船・土運船を使用した浚渫工事の他に、岸壁や護岸の維持や新設に必要なケーソン・L型ブロック製作などの港湾構造物の構築も行うなど港湾内の各種整備工事を行っています。
「主要な発注元は国土交通省、福岡県、北九州市、NEXCO西日本であり、元請け企業として、福岡県内全域と大分県北部を中心に幅広く土木工事全般を行っています」と岡本土木総務部 田中 大輔氏は語ります。
ビジネス上の課題
岡本土木では、現場事務所を常時7、8カ所設置し、基本的に社員にはひとり1台PCを支給しています。そのため、PCは1カ所の現場事務所で2~3台から、多いところで4~5台使われており、全体では40台前後になります。PCにはウイルス対策ソフトがインストールされていますが、ウイルス定義ファイルをきちんと更新する社員もいれば、更新しない社員もいます。そのため、1台1台セキュリティレベルが異なってしまい、本社で管理しづらい状態になっていました。
加えて現場事務所は社外とのやり取りが多く、メールにファイルを添付して送ることもしばしばでした。相手からの返信も多く、それに添付ファイルが付いていることがあります。そうすると、送信メールへの返信を装ったウイルスへの感染を狙うメールが着信した場合、誤ってファイルを開いて、ウイルスに感染してしまう危険性もあります。「以前、取引先の感染したPCからメールが送られてきたことがあり、それで危機感を持ちました。業務の関係上、個人情報は少ないのですが、法人の情報はたくさん持っています。会社としては不審なメールは開かないことにしていますが、万一開いてしまった場合、情報を漏えいして、加害者になり、会社の信用を落としてしまいかねません」とシステムを担当する岡本土木 総務部システム担当 伊藤 美由紀氏は説明します。
そうした状況を防ぐために、岡本土木では2020年にふるまい検知ソフトを導入、特に社外とのやり取りが多いPCにインストールしました。その結果、ウイルス対策ソフトとふるまい検知ソフトの2つを管理しなければいけなくなり、手間がかかることに加えて、運用コストウイルス対策ソフトとして高度な機能を持つ製品を探し始めたのです。
ソリューション
2021年、1年ごとの更新だったふるまい検知ソフトが更新時期を迎え、従来から使っていたウイルス対策ソフトがバージョンアップに併せて値上げされることになりました。そのタイミングに合わせて、岡本土木では、PC導入やネットワーク構築、運用支援を行っている岡本土木担当のサービスプロバイダー システージの提案で、
「Acronis Cyber Protect Cloud Advanced Securityパック」を試してみることにしました。「今まで通りの運用ではコストがかなり高くなるので、システージの提案を受けて、本社の約20台のPCの内、10台ほどに試用版をインストールして、使ってみることにしました」(伊藤氏)。
その結果、スムーズに運用できたことから、岡本土木では、Acronis Cyber Protect Cloud Security Advancedパックを正式に導入することにして、現場事務所と本社と併せて50台ほどのPCにインストールしました。導入作業は大きな問題もなく、完了させることができ、Acronis Cyber Protect Cloud SecurityAdvancedパックは順調に運用されています。2022年2月から3月にかけて、マルウェア「Emotet」が猛威を振るい、多くの企業が被害を受けました。その中でも、岡本土木のPCはログから攻撃されたものの、すべてブロックされていることが分かり、1台も感染しませんでした。「運用する中で、すべてのPCのパターンファイルの更新が自動的に行われると共に、ふるまい検知も実行されているので、PC全体のセキュリティが均一になり、レベルも上がりました。自動化されることで、管理面でほとんど手がかからなくなり、とても助かっています」(伊藤氏)。
効果と展望
以前のウイルス対策ソフトではウイルス定義ファイルが更新されていないと分かっても、管理者側では更新できず、PCを使ってい る 社 員 が や るし か あ りま せ んでした 。中 には仕事に支障をきたすと、Windows のアップデートや定 義ファイルの 更新を止めてしまう社員もいました 。Acronis Cyber Protect Cloud Security Advancedパックでは、定義ファイルが自動的に更新されるので、一切気にする必要がなくなりました。「ウイルス対策ソフトを使っていた時は、よくシステム担当の伊藤さんにPCの設定を頼んでいました。今は全く見てもらう必要がなくなったので、とても助かっています」(田中氏)。
岡本土木では、現在会社全体でデジタル化に取り組んでいます。まず送受信ともに画像や動画のファイル添付が多いメールについて、送信時はメールに直接添付していたファイルをクラウドに一旦アップロードして、そこからダウンロードしてもらうように切り替えます。また建設・土木業界は紙ベースの図面や書類が依然として多いので、ペーパーレス化も進めています。2021年夏には電子決裁システムを導入、稟議書や申請書類を電子化し、最終的には紙の書類をすべてなくしていく方針です。さらに電子帳簿保存法の施行を見据えて、会計や給与関係の電子化にも着手しています。
岡本土木では、Acronis Cyber Protect Cloud SecurityAdvancedパックを中心に、より一層のセキュリティの強化を図りながら、デジタル化・DXの推進に取り組んでいく考えです。