2024年4月5日
導入事例

共栄ブレーン、Acronis Cyber Protect Cloudの導入で、ホスティングサービスでのDR対策を実現、社内PCのセキュリティ対策も強化

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業種・業態
システム開発、事務機器販売業
主な課題
• ホスティングサービスでサーバー復旧までに時間がかかってしまう状況の解消
• PCのセキュリティソフト・ライセンス管理の煩雑さの解消
• 信頼性の高いランサムウェア対策の実現
主な要件
• セキュリティとバックアップをひとつの製品で行えること
ITインフラ
• オンプレミス環境
主なメリット
• ホスティングサービスでの迅速なフェイルオーバーを実現
• DR用リソースの準備が不要になり、大幅なコスト削減を実現
• PCに対する高度なランサムウェア対策機能を実装
• レポート機能による管理コンソールからのPC監視を実現

Acronis Cyber Protect Cloudで、DR対策とEDR導入を実施、災害やサイバー攻撃にも対応できる強靱なIT環境を構築しています。

事業の概要

株式会社共栄ブレーン(以下、共栄ブレーン)は1980年に設立し、福島県福島市に本社を置くシステム開発と販売、事務機器販売を営む企業です。同社は福島県内と隣県の顧客を中心に、主に印刷機などの販売で事業を開始し、その後、複合機、プリンタ、PC、ネットワーク機器、UTMの販売やサービスメンテナンスに分野を拡大し、現在では福島県内3拠点、東京1拠点で事業を展開しています。また、介護福祉施設向けにレセプト作成や社会福祉法人会計、給与関連のソフトウェアの販売、サポートを行っています。

近年では、障害者自立支援法に対応して、障がい者福祉施設向け業務システム『ともにシリーズ』を独自開発、介護福祉施設向け業務システムと共に、提供しています。

共栄ブレーン開発の『ともにシリーズ』は、障がい者福祉関連の様々なサービス事業所向けの記録システムで、全国1,100を超える事業所で利用されています。「従来、障がい者福祉施設は自治体への報告書などを職員がExcelなどで作成していましたが、手間をかけずに記録を作成できるように『ともにシリーズ』を開発しました。障がい者福祉施設には障がい者就業・生活支援センター、発達障がい者支援センター、児童家庭支援センター、就労継続支援/就労移行支援事業所、福祉サービス事業所など様々ありますが、『ともにシリーズ』は各事業所での日々の支援記録や相談記録、作業記録を管理できるようになっており、私たちがサポートも行っています」と共栄ブレーン サポート部次長 中村 利英氏は語ります。

ビジネス上の課題

共栄ブレーンには2011年の東日本大震災当時、福島県沿岸部に20ほどの社会福祉法人の顧客がありました。地震発生後の津波警報により、ある法人では共栄ブレーンから導入していたサーバーを抱えて避難しました。結果、施設は津波被害を受けたため、もしサーバーを置いたまま避難をしていたとすれば、データは消失していました。

また、その後の福島第一原発事故により、周辺市町村は県外に避難する事態となりました。時間的な猶予なく、サーバーを施設に残したまま避難した顧客が多数ありました。避難から数ヶ月した後、施設への一時帰宅が可能になった際に、共栄ブレーンは回収されたサーバーを預かり、データを救出する作業を行いました。「当時はクラウドへのバックアップサービスがありませんでしたので、サーバーを抱えて避難するか、放置する以外に方法がありませんでした。BCP対策としてクラウドへのバックアップが必要なことを強く感じた経験でした」(中村氏)。

さらに5年ほど前、共栄ブレーンが介護保険のシステムを導入している顧客のサーバーがランサムウェアに感染した経験がありました。そこでは介護保険システムと会計・給与システムが稼働していましたが、ファイルがすべて暗号化されてしまいました。システムはそれぞれ異なるデータベースを用いており、ランサムウェアは起動しているファイルを暗号化することができなかったため、データベースだけは感染後も動作していました。そのため、データベースからバックアップを復旧することができ、システムは事なきを得ましたが、それ以外のファイルは全滅状態でした。「その時の無力感は今も鮮明に覚えており、ランサムウェア対策がいかに重要か、身にしみて感じています」(中村氏)。

ソリューション

そこで、共栄ブレーンでは、バックアップとセキュリティの両方をひとつのソリューションで提供するAcronis Cyber Protect Cloudに着目、自社のホスティングサービスと社内のPC端末への導入を計画しました。ホスティングサービスは、主に障がい者福祉施設向け業務システム『ともにシリーズ』で利用されており、希望する施設のサーバー、アプリケーション、共有フォルダが運用されています。これによって、施設の職員はSaaS感覚でパソコンとインターネットで接続、利用しています。

今までホスティングサービスは、サーバー復旧までの作業に専門性が必要で、障害が発生すると、技術担当の限られた社員しか対応できませんでした。さらに、バックアップやシステムエラーなどのインシデント発生時の一元管理ができていないことも問題でした。「万一サーバーが停止して、復旧に時間を要してしまうと、顧客に大きな迷惑をかけてしまいます。Acronis Cyber Protect CloudはBCP対策でのDR(ディザスタリカバリー)が可能で、大きな魅力を感じました」(阿部氏)。

また共栄ブレーンでは社内で150台あまりのPCにセキュリティソフトを導入して使用していました。ただ台数の変動が多く、ライセンス管理が大変なこと、セキュリティインシデントを監視できず、ランサムウェア対策にも不安がありました。「私たちは顧客にセキュリティ対策を提案、提供する立場にあるわけで、社内でセキュリティ被害に遭わないようにすることは必須です。Acronis Cyber Protect Cloudであれば、ランサムウェア対策が可能であり、かつ監視、インシデントの分析が可能であるため、要件を満たしていると考えました」(阿部氏)。

「自社でセキュリティの被害に遭わないようにするための対策を実施することができました」「万一の際のサーバー復旧に時間がかかることがなくなり、お客様に迷惑をかけることがなくなりました」
株式会社共栄ブレーン サポート部次長 中村利英氏、技術課係長 阿部雅貴氏

効果と展望

そこで共栄ブレーンでは、2023年6月から7月にかけて、Acronis Cyber Protect Cloudを導入、ホスティングサービス用のBCP対策としてクラウドへのバックアップ、社内の全端末にAdvanced Security+EDRをそれぞれ設定しました。

その結果、ホスティングサービスではAcronis DRにより、迅速なフェイルオーバーと、DR用リソースの準備が要らないため、大幅なコスト削減が可能になりました。また管理コンソールから簡単に操作でき、データ損失及びダウンタイムの最小化が実現しました。さらに管理コンソールからのインシデント確認やバックアップ状況などの即時通知設定で、一元的な管理ができるようになりました。

一方、セキュリティ対策では、使用した分だけ料金を支払うリーズナブルな運用、管理コンソールから簡単に監視できるレポート機能、高度なランサムウェア対策機能のサポート、セキュリティインシデントの分析・優先順位付けが可能になりました。

共栄ブレーンではDR、EDR両面でのAcronis Cyber Protect Cloudの機能に満足しており、今後、Advanced Managementによる端末管理の採用も検討していく考えです。

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