<寄稿>Time Machineよりも気持ちいいバックアップツール

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★古株Macユーザから見たTrue Image for Mac - Part 2

OS X標準のTime Machineは動作時に結構なCPU負荷がかかるため、バックアップにストレスを感じているMacユーザも多いのではないだろうか。しかし同じ「バックアップ」という行為でありながら、True Image for MacはTime Machineより少ない負荷で実行できる。

★Time Machineで処理が重たくなる仕組み

OS X標準のTime Machineは、ハードディスクを用意するだけで誰もが気軽にバックアップを始められ、しかも自動的に続けることができる画期的なバックアップ機能だ。しかしその一方で、いざバックアップ処理が始まってしまうとCPU負荷がかかり、他の作業に支障が出るという欠点もある。新たに登場したバックアップソフトTrue Image for Macも、同じような負荷がかかるのか比較検証してみた。

まずはTime Machineの場合。バックアップ処理が始まると「backupd」というプロセスが起動し、CPUを占有していく。今回の検証では、CPU使用率50〜150%を行ったり来たりするという状況が続いた(ここでいう100%とはCPU1コア分をフルに使った状態のことで、今回検証に使った4コアのMacBook Proの場合、すべてのCPUをフルに使うと100%×4コアで400%となる)。

Time Machine自体の「backupd」というプロセスはしばらく経つとCPU占有率が下がっていくが、それと入れ違いに「mdworker」というプロセスが起動してCPUを圧迫していく。この「mdworker」というプロセスは、本来OS Xの検索用インデックスを作成するためのプロセスなのだが、不思議なことにTime Machineを実行するといつも起動する。今回の検証では、バックアップ先のストレージは検索用インデックスを作成しないよう設定している。にもかかわらず、開始してしばらく経つと下の図のようなCPU使用率になってしまった。これが、Time MachineによってMacの処理が重たくなるメカニズムだ。

★負荷が少ない割に高速なTrue Image

一方True Imageの場合、処理を始めると「trueimaged」というプロセスが起動してCPUを占有していく。占有率は70〜150%あたりで、それなりにCPUを使うが、Time Machineとは違い「mdwoker」がCPUを食いつぶすという状態にはならない。従って、Time Machine動作中より他の作業がしやすいといえる。

このようなCPU負荷の違いがありながら、バックアップの所要時間はTrue Imageのほうが速かった。初回のバックアップも、そして5GBの差分バックアップを行ったときもやはりTrue Imageのほうが少ない時間で完了している。前回の記事で数値を載せたが、Time Machineの初回バックアップが23分09秒かかったのに対し、True Imageは13分05秒で完了した。また、初回バックアップだけでなく、5GBの差分バックアップを行った際も、True Imageのほうが早く完了している。

 バックアップ内容によってTime Machineのほうが速くなる可能性もあるが、全般的に見れば、True Imageのほうが素早く快適にバックアップできるといえるだろう。

★作業中のバックアップがストレスになる

そしてもう一つ重要な点として、Time Machineはバックアップのタイミングを選べないが、True Imageなら自分でタイミングを設定できることも見逃せない。Time Machineでは、自動で1時間ごとに差分バックアップをとるようになっている。ユーザ側ではこの変更できず、何か作業をしているときでも問答無用で始まってしまう。これがストレスの原因になる。

True Imageなら、バックアップを自分でスケジュール化して、作業が発生しない時間、例えば昼休みや朝方などにバックアップをとるよう設定できる。他の作業をしていなければ、CPU負荷がどうであっても気にならないというわけだ。

 <著者プロフィール>

小平淳一:Macユーザ歴15年。編集者として10年間に渡りMac雑誌を作り続け、現在も編集に携わっている。そのほかにも、ITジャーナリスト、WEBディレクター、イラストレーターと、クリエイティブワークを幅広く手がける。

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