いま世の中には2つの「デジタルの真実」があります。 1つは、日々のデータへの依存度がこれまでになく上がったことです。 もう1つは、私たち全員がある時点で、データの損失を何かしら経験してしまうということです。誤ってファイルを削除した場合、ハードドライブが突然故障した場合、ランサムウェアによってシステムが占有された場合、それらに対して免疫のようなものを持つことはできません。
賢明なユーザーはデジタル資産をバックアップして保護しています。信頼性の高いバックアップは、データ損失の事象からデータを復元する最速の方法です。Windows10を実行しているマシンでは、フルバックアップとファイルレベルのバックアップを簡単に作成できます。
ここでは、Windows 10の完全バックアップ作成の重要性、Win 10に含まれるツールの使用方法、ツールでは不十分な可能性がある分野について、またそれらが提供するデータ保護を向上させる方法について説明します。
フルイメージバックアップが必要な理由
多くの人はバックアップについて考える場合、重要な文書、たいせつな写真やビデオ、メディアファイルなどのコピーを作成すれば保護されていると思っています。しかし、なんらかの理由でコンピュータを使えなくなったとき、新たにコンピューターのオペレーティングシステム、使用していたすべてのアプリケーションを再インストールし、自分好みの設定に再構成してそれらのコピーをアップロードする必要があります。これらの再構築プロセスには長時間を要します。保護したいすべての重要なファイルに加えて、OS、アプリ、設定、隠しフォルダのファイルを含むあなたのシステム上のすべてをキャプチャするフルイメージバックアップと比較してみてください。フルイメージバックアップからシステムを復元するのは、PCの再構築よりもずっと速くて簡単です。
バックアップのためのストレージ戦略
Windows 10の完全バックアップを作成する方法を説明する前に、バックアップをどこに保存するかについて説明します。バックアップファイルをPC内蔵のハードドライブに保存することはできますが、おすすめできません。なぜなら、ドライブに障害が発生すると元のデータと復元用にバックアップしていたコピーの両方が失われるからです。
この場合に良い戦略は、3-2-1のアプローチです。
- 1つの障害ですべてのデータが破壊されないように、バックアップのコピーを3つ作成する。
- これらのバックアップファイルは、外付けハードドライブやクラウドなど、2つの異なる保存先に保存し、盗難、火事、洪水などの物理的な災害から保護する。
3-2-1のアプローチでは、データ保護戦略に冗長性が組み込まれます。元のデータやローカルのコピーが火事や震災によって破壊されることがあるかもしれませんが、クラウドにバックアップすることで、災害の影響を受けない最近更新されたバージョンを入手できます。
Windows 10のフルバックアップはどこにありますか?
バックアップはデータを保護するための非常に重要な部分であるため、MicrosoftはWindows 10にいくつかのツールを組み込んで、ファイルレベルおよびシステム全体のバックアップを作成できるようにしています。
これらのツールのいくつかはWin10の新ツールですが、かつてはWindowsの初期エディションの一部でした。しかし、フルイメージバックアップを作成する方法が見つからない場合も多いです。 これは、Windows 10のネイティブツールに対する最大の不満の1つなのですが、フルイメージバックアップを簡単に作成する方法をご紹介します。
- 管理者アカウントと管理者パスワードの入力
- システムイメージのバックアップに合わせて十分なストレージ容量を持つ外付けハードドライブ
- Windows 10 レスキューメディア(起動用のDVDやUSB)
- Windows 10でフルシステムバックアップを行う方法
Windowsのネイティブツールでバックアップするには、「ファイル履歴」を使用します。使用するには最初に外付けドライブを接続します。
- スタートメニューを開き、設定をクリック
- 設定ウィンドウで、アップデートとセキュリティをクリックしてからバックアップを選択
- [バックアップ]セクションで、[ファイル履歴を使用したバックアップ]の下の[ドライブの追加]オプションの横にあるプラス記号[+]をクリック。利用可能なドライブの一覧が表示されたら、バックアップ先として外付けハードドライブを選択
この時点で、[ドライブの追加]オプションは[自分のファイルを自動的にバックアップする]に変わります。この設定がデフォルトです。設定は変更できますが、スケジュール設定された自動バックアップが計画どおりに実行されるように、そのままにしておくことをおすすめします。
これでフルイメージバックアップを作成する準備が整いました。 外付けハードドライブを接続した状態で下記の操作を実行します。
- 上記の指示に従ってファイル履歴に移動
- 左下隅にあるシステムイメージバックアップをクリック
- 左側のパネルで[システムイメージの作成]をクリック
- セットアップウィザードが起動したら、接続先の外付けドライブをバックアップ先として割り当て
- 次に、このイメージバックアップに必要なパーティションを選択するか、そのままデフォルト設定を使用
- 設定を確認してから[バックアップの開始]をクリック
バックアップを安全に維持したい場合、バックアップにファイル履歴を使用する方法がありますが、これにはスタートメニューにあるMicrosoftのBitLockerアプリにも慣れる必要があります。このアプリにより、バックアップ先を暗号化できます。
さらにセキュリティを強化するために、Acronis True Imageのような他のバックアップソフトウェアは、バックアップ先(クラウドまたは外付けハードドライブ)への転送中および保存時に、ハードドライブ上のファイルを自動的に暗号化します。
バックアップ計画を管理する
バックアップの頻度やファイルの保持期間など、バックアップ計画を作成しましょう。
ファイル履歴はデフォルトで1時間に1回データをバックアップしますが、[その他のオプション]セクションで10分ごとから1日1回以下まで設定を調整できます。
[その他のオプション]セクションでは、ファイル履歴がバックアップのコピーを保存する期間も設定できます。デフォルトではバックアップファイルは永久に保存されますが、古いバックアップを自動的に削除してハードドライブの容量制限を管理することをおすすめします。
バックアップをクラウドに保存する
バックアップのベストプラクティスは、元のファイルとローカルバックアップの両方が災害やウイルスなどの不慮の事故によって破壊された場合に、安全なオフサイトにデータを保管するために、コピーをクラウドに保存することです(外付けハードドライブを接続したままにしている場合)。 クラウドストレージには、いくつか考慮すべき選択肢があります。
Microsoft 365を使用している場合、サブスクリプションには1TBのOneDriveが含まれています。 問題は個々のファイルやフォルダをバックアップする場合、柔軟性が不足していることです。 OneDriveは新しいバージョンのOfficeファイル形式のみを保存します。文書、写真、またはビデオを編集した場合、古いバージョンを取得することはできません。
もう1つの選択肢は、DropboxやGoogle Driveなどの同期・共有クラウドサービスですが、無料版を使用している場合、フルイメージバックアップを保存するのに十分なメモリが提供されません。 同期専用ソリューションのもう1つの問題は、あるデバイスから誤ってファイルを削除した場合、該当のファイルはオンラインクラウドストレージや他のデバイスからも削除されることです。バックアップに関しては、クラウド同期ソリューションでは不十分です。
より安全で便利なクラウドオプションは、クラウドバックアップソリューションです。これはバックアップファイルを安全に保ち、必要なときに利用できるように設計されています。
バックアップからWindowsを復元
システムイメージバックアップの長所は、好みに応じてすべてのデータを含むWindowsをすばやく簡単に復元できることです。システムをフルイメージから回復する場合は、次のようにします。
Windows 10で作成したシステムイメージを使用して復元する方法
- スタートメニューから、設定を選択してからアップデートとセキュリティを選択
- 左側のパネルで[復元]をクリック
- コンピューターが正常に動作していない場合は、リカバリパーティションを使用してPCを再起動。システムイメージを使用して復元するかどうかを確認
残念ながらシステムイメージは、システムのバックアップ全体をコンピューターに一度にコピーすることによってのみ機能します。個々のファイルやフォルダを復元することはできないため、システムイメージから復元すると、バックアップ以降に作成した新しいファイルや変更は失われることになります。
その他のフルイメージバックアップオプション
このような制限があるため、多くのコンピューターユーザーがサードパーティのバックアップソフトウェアを使用します。この場合、フリーウェアと有料ソフトウェアの2つのグループに分けられます。
インターネットでダウンロードできる無料のソリューションがいくつかあります。何人かの人々がそれらを試していることでしょう。 しかしフリーウェアは通常、機能が制限されているため、有料版のオファーで頻繁にスパムメールを受け取ることがあります。それらの迷惑なメール等を受け取ってまでそのフリーウェアを使用し続ける価値があるかどうかを考える必要があるかもしれません。
バックアップソフトウェアを購入すると、通常は高品質のバックアップ、幅広い機能が提供され、頻繁なマーケティング目的のメールからも解放されます。 あなたのニーズに最も合った有料のバックアップソフトウェアを見つけるためのポイントは下記のとおりです。
- 信頼できるバックアップソリューションとして世の中で広く知られているものか
- ランサムウェアに対する保護機能があるか
- フルイメージ、ファイルレベル、増分および差分バックアップを作成できるか
- わかりやすく使いやすい画面が提供されているか
- Windows PCやMacに加えてモバイルデバイスも保護できるか
これらの質問に対する答えが「〇」であるソフトウェアをお探しの場合は、Acronis True Imageの30日間無料トライアルをご検討ください。ファイルレベルとシステムイメージの両方のバックアップを自動化できるだけでなく、Acronisで作成したフルイメージバックアップから必要なファイルのみを取り出すこともできます。
Acronis True Image 2020のサブスクリプションでは、クラウドストレージも提供されます。単一のダッシュボードで、バックアップ計画とクラウドストレージを管理できます。さらに、Acronis True Image 2019はランサムウェア攻撃をプロアクティブに検知・遮断するAIベースのテクノロジーを搭載した唯一のバックアップソリューションです。
アクロニスについて
アクロニスは2003年にシンガポールで設立されたスイス企業です。アクロニスは、世界15か所のオフィスと50カ国以上で拠点を擁しており、Acronis Cyber Protectソリューションは150カ国に26言語で提供され、2万社を超えるサービスプロバイダーで利用されており75万社を超える企業を保護しています。