2021年のMSPの展望:調査で判明した、ITチャネルの傾向

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パートナーのマネージドサービスプロバイダー(MSP)に、利益性の高いビジネスの構築に必要なサポートとソリューションを提供するためのカギは、相手の話をよく聞くことです。会話を交わすことが重要で、そうでなければ一方的に話すだけになってしまいます。

そのためアクロニスは最近、MSPを対象に調査を行いました。Omdia社(旧Ovum社)による2020年の詳細なリサーチプロジェクトのフォローアップにあたるもので、前回から1年近く経った業界の動向を調べています。驚くには当たりませんが、調査から、MSP市場が大きな変革の時にあることがわかりました。特に、以前から認められていた傾向が新型コロナウイルスの感染拡大によって加速したことが挙げられます。

この『2021年のMSPの展望』調査レポートから、重要な知見をおおまかに確認してみましょう。

『MSPの展望』調査の回答者の構成

アクロニスは2020年末にオンラインで調査を行い、MSPのマネージャーおよびビジネスリーダー244人から回答を得ました。回答者のうち79%は北米のMSPであり、残りの21%は他の地域に分散していました。

調査したMSPの71%は10年以上事業を継続しており、61%は年間収益が200万ドル未満でした。また、73%は顧客数が100社未満でした。回答者から収集した基本的な統計情報には、事業の継続年数、年間収益、顧客のセグメント、サービスを提供している業界が含まれています。

2020年、需要はどう変わったか

データに基づくと、従来型のMSPはもはや危機に瀕しているというだけでなく、すぐにでも消滅してしまいかねない状況といえます。2020年になってからのサービスに対する顧客の要望をどのように特徴づけられるか、という質問に対しては、当然かもしれませんが、リモートワークのサポートとサイバーセキュリティという回答が大幅に増加しました。一方で、これまでMSPの基本的な収入源だった他のサービス(システム統合プロジェクトやヘルプデスク)の多くは、横ばいか減少でした。  

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さらに、次の2年間に物事がどう変化するかを尋ねました。具体的には、最も収益を生むサービスがどう変化するかという質問ですが、回答は明確で、マネージドセキュリティサービスおよびマネージドクラウドサービスでの成長が見込まれており、逆に、以前は収益ストリームを生んでいた中核的なサービスはすべて縮小するという見通しでした。

これらの予測から、MSPがハードウェアやソフトウェアの再販を行い、従来のサポートサービスを提供する、という日々が終わりに近づいていることは明らかです。  

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セキュリティサービスの提供と、セキュリティベンダーとの協業

マネージドセキュリティサービスの重要性が高まっていることを受けて、レポートの後半ではこのトピックを深く掘り下げています。収益を生むセキュリティサービスの上位5種が次の2年間にどう変化するか、という質問に対しては、上述した市場の大幅な変化を裏付けるように、クラウド/SaaS(Software as a Service)のセキュリティとバックアップがリストのトップに入りました。この項目は現在の上位5種には入っておらず、意外な結果となりました。 調査では、他にも以下の質問を行いました。

マネージドサービスの販売で最も難しい課題

・取引のあるセキュリティベンダーの数

・セキュリティベンダーを選ぶときに重視していること

・単一プラットフォームに統合したいサービス

・マネージドサービスのエンドポイント1つあたりで稼働しているエージェントの数の平均

最後に

ITチャネルが直面している最大の課題の1つは、使用される技術、顧客が求めるサービス、そして今日のビジネス環境でのIT需要に対する変化の速度です。特に、従業員の大半が在宅勤務となった世界的なパンデミックの結果、MSPチャネルがどのように変わったのか測定することで、今後の見通しを立てることができます。

これらのインサイトには高い価値があります。また、現在のMSPにとって、これらの問題にどうやって備え、対応するかを把握しておくことも必要なことです。『2021年のマネージドサービスプロバイダの展望』レポートは、現在、無料で公開中です。このレポートでは、変化し続ける環境の中で生き残り、ビジネスを拡大し続けるためにAcronis Cyber Cloudが提供できる支援についてもご紹介しています。

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