差分バックアップ、増分バックアップそしてフルバックアップの違いとは?

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Acronis Cyber Protect Home Office
以前は Acronis True Image

差分バックアップと増分バックアップは、変更されたファイルのみをバックアップして時間とディスク領域を節約する「スマートバックアップ」タイプです。しかしながら、データ保護という目的でバックアップ方法および結果がどう役立つかにおいては大きく異なります。

バックアップの3つのタイプとは?

バックアップには3つの主な戦略としてフルバックアップ、差分バックアップと増分バックアップがあります。

フルバックアップとは、既に存在するバックアップまたはデータ変更状況に関わらず、データ全体のバックアップです。

差分バックアップは、最後にフルバックアップを完成してから変更されたデータファイルから構成されます。

増分バックアップは、最後に増分バックアップを完成してから変更したデータファイルから構成されます。

3つのアプローチすべての背後にあるバックアッププロセスについて探ってみましょう。

フルバックアップとは?

 Acronis Cyber Protect Home Officeを使うと、システムのフルバックアップを作成できます。これにはOSやアプリケーションとデータが含まれます。 

もちろん、Windows内で作成したフルバックアップも、すべてのディスクセクターのデータをコピーし、パーティションやディスク上のすべてのファイルをバックアップイメージファイルにバックアップします。不明なファイルシステムや損傷したファイルシステムのフルバックアップを作成するため、セクターにデータが含まれるかどうかに関わらず、Acronis Cyber Protect Home Officeはすべてのセクターをイメージファイルへコピーします。これが最もシンプルなバックアップの形ですが、最も時間もスペースも要し、柔軟性も最も低いと言えます。

一般的に、フルバックアップは週に1回のみ総合的なバックアッププランの一環として行われます。OSのアップグレードやソフトウェアインストールなどディスク上のデータに大きな変更が行われた後に、フルバックアップが行われることもあります。フルバックアップを行ってから次のフルバックアップまでの間隔が長いと、何かまずいことが起これば、大量のデータが失われることを意味しています。だからこそ、次のフルバックアップの間にデータをバックアップしておくことが賢明なのです。

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types of backup

コンピュータ上のほとんどの情報は非常にゆっくり変更される、または、まったく変わりません。これにはアプリケーションやOSそして、ほとんどのユーザーデータも含まれます。一般的に、パーティションやディスクの情報の中でほんの数パーセントのみが毎日または週1回変更されています。そのため、毎日変更があったデータのみをバックアップすることが理にかなっています。これが高機能バックアップ戦略の基礎です。

差分バックアップとは?

差分バックアップはバックアップ戦略の進化における次なるステップでした。差分バックアップは、最終差分バックアップではなく、最終フルバックアップをしてから変更したファイルのみをバックアップします。例えば、日曜日にフルバックアップをしたとします。日曜日から変更したファイルのみを月曜日にバックアップし、日曜日から変更したファイルのみを火曜日にまたバックアップし、次回フルバックアップを行うまでこれを続けます。差分バックアップは、かなり少ないデータをバックアップするので、フルバックアップよりも速いです。バックアップされるデータ量は、次にフルバックアップまでの各差分バックアップが増えます。 

差分バックアップのメリットとは?

差分バックアップは、少ないデータをバックアップするため、フルバックアップよりも短時間で終わります。

差分バックアップのデメリットとは?

バックアップされるデータ量は、次のフルバックアップまでの各差分として増えていきます。差分バックアップはフルバックアップよりも柔軟性が高いものですが、特に次のフルバックアップが近づいている時には、1日1回以上行うにはデータ量が大きくなります。

増分バックアップとは?

増分バックアップも変更したデータのみをバックアップしますが、最終バックアップした時から変更があったデータのみをバックアップします。つまりフルバックアップか増分バックアップかになります。差分バックアップは「累積増分バックアップ」と呼ばれることもありますが、増分バックアップは「差異増分バックアップ」と呼ばれることもあります。まだわかりにくいでしょうか?次にもう少し説明しましょう。

増分バックアップのメリットとは?

火曜日に増分バックアップを行う場合、月曜日に増分バックアップを行ってから変更したデータのみをバックアップします。結果として、バックアップ量はかなり少なく、迅速にバックアップできます。増分バックアップの特徴は、バックアップの間隔が短ければ短いほど、少ないデータをバックアップする点です。実際、Acronis Cyber Protect Home Officeのような高機能バックアップソフトウェアを使うと、バックアップは少量かつ迅速で、作業内容や現在の作業に対するバックアップの重要性によって、1時間に1回もしくはそれ以上の頻度でバックアップを行います。

増分バックアップのデメリットとは?

増分バックアップは柔軟性と精度がかなり高い(バックアップ間隔の時間がかなり短い)一方で、最終フルバックアップからその後のすべての増分バックアップから再構成するため、復元までにかかる時間が長いと言われています。Acronis Cyber Protect Home Officeは特別なスナップショットテクノロジーを使い、復元のためにフルイメージを素早く再構築できます。これにより、平均よりもはるかに実践的な増分バックアップを実現しています。

増分バックアップと差分バックアップの違いとは?

一般的に、増分バックアップと差分バックアップは、フルバックアップと比較して、より迅速でストレージスペースが最適化されたバックアップを目指しています。両方ともに累計バックアップの形式で、フルバックアップよりも迅速ですが、だからといって同じというわけではありません。

下記で増分バックアップと差分バックアップに関する内容を深堀してみましょう。

バックアップスピード

バックアップ時間(バックアップスピード)に関しては、差分バックアップや増分バックアップより、フルバックアップは時間がかかります。増分バックアップが最も迅速で、差分バックアップが次に迅速です。ただし、ここには状況により例外があります。

例えば、初回フルバックアップのファイルよりも多くのデータを含むファイルを追加または変更した場合、増分バックアップや差分バックアップはフルバックアップよりも時間がかかります。いくつか新しいファイルを追加しただけの場合、増分バックアップと差分バックアップが完成するまでの時間は同じくらいになり、オリジナルバックアップから何も削除しません。にもかかわらず、増分バックアップはその他のあらゆるケースにおいて差分バックアップよりも迅速だと考えられています。

ストレージスペース使用

一般的に、差分バックアップは増分バックアップよりもより多くのストレージスペースを要します。これはイメージファイルの形式でより大量のデータ容量を保存することにあり、よって同様に、より多くのイメージファイル容量を要します。さらに、バックアップスケジュールが長くなると、差異が増えます。(スケジュールが長いということは、イメージファイルとして保存するデータ量がより多くなることを意味しており、よってより多くのストレージスペースを要します)

コストの違い

バックアップ戦略のコスト比較は、各バックアップタイプが必要とするストレージスペースによって主に評価されます。説明した通り、フルバックアップが最もストレージスペースを要するので、最も費用がかかります。次に差分バックアップに費用がかかり、増分バックアップが最もコスト効率が高くなっています。

しかし、これは一般的に短期間の場合のみ当てはまります。バックアップオペレーションの期間が数か月から数年とした場合、増分バックアップアプローチは初回フルバックアップよりもより多くのスペースを要します。(その後の増分バックアップが累積されるので、かかるバックアップを管理しない限り、今後ストレージスペース問題が起こる可能性があります)

データ復元スピード

データ回復には少なくとも1つのフルバックアップが必要です。さらに、差分回復を実行するには、最近の差分バックアップのコピーが必要で、増分回復を実行するには、前回のフルバックアップから回復ポイントまでに完了したすべての増分バックアップが必要です。

それを念頭に置きながら、差分バックアップ回復には増分回復よりも手順が少ないので、時間がかかりません。増分バックアップからの復元は、復元される複数のバックアップコピーに依存するので、より時間がかかります。以前の増分バックアップコピーのいずれか(最終バックアップ後の)が紛失または破損している場合、回復にかかる時間は増えます。さらに、データ回復が不完全に終わったり、回復が失敗に終わったりする可能性があります。それでも、最近追加したデータの部分復元のみが必要な場合、増分バックアップ回復が望ましい選択肢です。

クラウドバックアップのメリット

説明した通り、増分データコピーはリソースの消費が少なくて済みます。そのため、クラウドに適しています。増分バックアップはストレージスペースが少ないため、クラウドストレージ費用が低く抑えられます。

差分バックアップはどんな時に使うのか?

まず、差分バックアップも増分バックアップも少なくともストレージに1つのフルバックアップが必要です。そうは言うものの、差分バックアップは一般的により多くのストレージスペースを要するので、より大量なストレージに対して支払う余裕のある企業向けだと言えます。ただし、差分バックアップの回復時間は短いので、ダウンタイムを最小限に抑えたい組織にとってはメリットが大きいと言えます。

オリジナルフルバックアップ後に実行した最初の部分バックアップが同じでも、バックアップ方法の選び方によって、その後のインスタンスが大きく異なる可能性があります。差分バックアップは常に最終フルバックアップから変更したデータをバックアップするため、差分コピーが大きくなります。しかし、増分バックアップ回復よりも短い時間で回復できるので、災害やハッキング攻撃が発生した時に、ビジネスのダウンタイムが少なくて済みます。

増分バックアップはどんな時に使うのか?

説明した通り、増分バックアップは迅速でストレージスペースも少なくて済む場合が多いです。ストレージスペースを最適化し、最終バックアップから変更したデータの莫大な量をストレージに追加したくない企業は、増分バックアップからより多くのメリットを得ます。ただし、災害復旧シナリオでは、増分バックアップ回復は差分バックアップ回復よりも時間がかかります。これにより、ダウンタイムが長くなり、ビジネスプロセス再開が遅くなります。

増分バックアップ 対 差分バックアップ  どちらが迅速か?

増分か差分かの議論は、ビジネスや企業の構造によって異なります。データバックアップ戦略は重大な情報を扱う組織にとって非常に重要なので、管理システムにあるすべてのデータに対して専用プランニングを実施しなければなりません。

一般的に、差分バックアップは増分バックアップよりも完了までに時間がかかります。ただし、バックアップファイルの回復に関しては異なります。回復プロセスを完了するまでに必要なデータ数が少ないため、差分復元は増分復元よりも迅速です。バックアップに必要なデータ量、ネットワーク速度や選択したストレージ(ローカル、クラウドやハイブリッド)によって、企業は最適なスマートバックアップスキームを見つけなければなりません。

Acronis Cyber Protect Home Officeは、あなたの味方です!

Acronis Cyber Protect Home Officeは確実なバックアップと、ディスク故障、うっかり削除、紛失や盗難、そしてサイバー犯罪者による攻撃など現在あるすべての脅威からデータを守る最新アンチマルウェアテクノロジーを独自に統合しています。PCMagは、「編集長チョイス」レビューで、 Acronis Cyber Protect Home Officeを「あらゆる悲劇を防ぐ包括的ソリューション」であると表現しています。

Acronis Cyber Protect Home Officeがあれば、個人もスモールビジネスも同様に、OS、アプリケーション、設定、ファイルやMicrosoft 365アカウントを含むデータをローカルドライブ、外付けハードドライブ、NASやAcronis Cloudへバックアップできます。さらに、Acronis Cyber Protect Home Officeは、ゼロデイ脆弱性のために起こった攻撃を含む、サイバー攻撃を阻止し、リアルタイム保護、脆弱性評価、オンデマンドアンチウィルススキャン、ウェブフィルタリング、ランサムウェア保護やクリプトマイニングブロッカーを使って、バックアップとデバイスデータの両方を損害から守ります。災害の場合、データは簡単に回復可能です。

アクロニスについて

アクロニスは2003年にシンガポールで設立されたスイス企業です。アクロニスは、世界15か所のオフィスと50カ国以上で拠点を擁しており、Acronis Cyber Protectソリューションは150カ国に26言語で提供され、2万社を超えるサービスプロバイダーで利用されており75万社を超える企業を保護しています。

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