2017年1月16日  — 4 分で読めます
Acronis
2017年1月16日  — 4 分で読めます
2017年、クラウドの採用に関する3つの主要なトレンド
SMBによるクラウドの採用 クラウドの採用を影で後押ししているのは中小企業(SMB)です。その理由は、SMBが単独では手を出せないようなサービスが利用可能で、費用対効果に優 れたすばらしい機会を、クラウドが提供しているからだけではなく、サービスプロバイダにとって、SMBは最も販売活動しやすく、拡張性のある市場層でもあ るからです。 広く採用されているMicrosoft Office 365を例に説明しましょう。Microsoft Office 365は、従来のオフィスインフラストラクチャでいうと、誰もが慣れ親しんでいたMicrosoft Exchangeメールをクラウドに直接複製したものです。Office 365も同じ機能を提供しますが、ハードウェアやサーバー全体のライセンスの購入は必要ありません。このサービスを採用にするには、ホスティングプロバイ ダを通じて、数個のメールボックスをホスティングするのが一番簡単です。その上、Office 365メールボックスの機能を拡張する無数のアドオンサービスも付いてきます。バックアップや解析機能、追加ファイルストレージなど多数のツールが、この サービスをあらゆるユーザーにとって、魅力的なものにし、サービスプロバイダには、経常収益を増やす格好の機会を、エンドユーザーには、大規模な投資をせ ずに、サービスを採用し、利用するチャンスを提供します。 今後、12~18か月間に、SMBによるクラウドの採用を促進する例は他にも多々あります。この期間、IT市場全体で、採用しているサービスを移行する動 きが最大となるでしょう。 従来型の販売代理店からクラウドサービスプロバイダへ カスタマへのサービス提供においては、ハードウェアやソフトウェアが入った物理的な箱の移動を伴うこれまでの流通モデルが、急速にその形態を変化させてい ます。従来型の販売代理店は、競争力を保ち続けるために、物理的な商品の販売からサービスの提供へと重点を移しています。これは、販売代理店が独自のデー タセンターからサービスの提供を開始したという意味だけではなく、集約されたクラウド流通企業へと変わって、1つのインボイスに統合できるような、あらゆ る独立系ソフトウェアベンダー(ISV)のサービスを再販チャネルに提供するという意味でもあります。 その結果、クラウドサービスの勢力がますます高まり、従来の流通チャネルを重視するようになるというまったく新しいトレンドが生まれるでしょう。また、ク ラウドベンダーの選択において、サービスプロバイダは、管理や統合がしやすく、柔軟なオンボーディングツールを搭載したサービスを選ぶようになるでしょ う。 本物のクラウドアーキテクチャ 本物のクラウドアーキテクチャについての見解は、大きく変わっていくと思われます。ここ数年、クラウドの人気が高まりを見せましたが、基本的には、過去 15~20年間ほど、市場に存在していたもの、つまり中央の1箇所にある共有プラットフォームからサービスを提供して、SMBや大企業のITニーズを満た していたモデルと大して変わりありません。 今後、12~18か月間、クラウド産業の基礎となる本物のクラウドアーキテクチャを形成しようという傾向が強まるでしょう。これは、個々のカスタマに向け て、単に個々のサービスをプロビジョニングするのとはまったく異なります。最も大切なのは、実際のコモディティクラウドサービスの上に位置する管理および サービス提供レイヤーです。 ホワイトラベルで重層的、マルチテナントで、確実に分離されている管理委託型のソリューションを提供できないクラウドベンダーは、2017年には新しいビ ジネスの機会を失うでしょう。サービスプロバイダとSMBカスタマは、販売代理店とその子会社、再販業者とその子会社のサインインが可能で、複数のユー ザー部門に対して複数のユーザーロールを作成できるソリューションを求めるでしょう。この機能は、今後、数ヶ月のうちに、クラウド空間におけるサービスの 決定的な差別化要因となるでしょう。 来年、クラウド空間における発展は、サービスプロバイダやSMBカスタマにとって、これまでにないチャンスを生み出すでしょう。サービスプロバイダは、 ISVがホストするサービスをパッケージ化し、既存のチャネルエコシステムを通じて再販することにより、資本投資を一切行わずに、事業を成長させることが できます。また、サービス消費のOpexモデルを上手く活用して、社内のITインフラストラクチャを、クラウドベースのサービスで次々と置き換えていく SMBにとっても、新しいチャンスが開かれるでしょう。